血液サラサラの続きです。
血液をサラサラにする薬と言うとイメージが良いので、病院ではそのように話していたと思いますが、「バイアスピリン」は出血を止める働きのある血小板の働きが活発化するのを抑える薬です。
人は出血があるとそれを止めるために仕組みを持っています。
まず一次止血として、血管が破れると血管の収縮が起こり、傷口を小さくします。次に血液中にある血小板が傷口に集まり、血栓を作って、傷口をふさぎます。
次に二次止血として血液中の凝固因子と呼ばれる一群のタンパク質が働き、最終的にはフィブリンの網の膜が血小板血栓の全体をおおい固めて、止血が完了します
高血圧などの脳梗塞や心筋梗塞などのリスクに対して、血液が血栓を起こしにくくする目的で処方される事が多いようです。
アスピリンと同じような目的で処方される薬に「ワルファリン」があります。「バイアスピリン」は一次止血に対して働きますが、「ワルファリン」は二次止血に対して働く薬です。
二次止血は「ビタミンK依存性凝固因子」と呼ばれ、肝臓でつくられるビタミンKを必要としますが、「ワルファリン」は、ビタミンKの働きを抑えて血液を固まりにくくします。
アスピリンは、馴染みのある薬で、私達も子供の頃から一度ぐらいは解熱鎮痛薬として使った事があると思います。そのアスピリンが最近では、低用量による抗血小板作用を応用して、心筋梗塞の再発予防に使われることが多くなっています。
ただ心筋梗塞の再発予防には効果が証明されていますが、その他の低危険群ではあまり効果が期待できないかもしれません。
次のようなデータがあります。
•約2万人の心筋梗塞患者における心筋梗塞の再発について、実薬(アスピリン)と プラセボ(にせ薬)で比較 → 実薬を飲んでいた人の再発は10%、プラセボでは14%。
•約2万人の心筋梗塞既往患者における再発を比較 → 実薬13%、プラセボ17%。
•約1万人の脳卒中患者における再発を比較 →実薬18%、プラセボ22%。
•低危険群3万人の心筋梗塞や脳卒中の発現率の比較では、あまり差はなく、実薬4.4%、プラセボ4.8%。脳卒中に限っては有意差なし(むしろ脳出血が増える傾向)。
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