栴檀〈せんだん〉は
双葉より 芳し〈かんばし〉
小学生の時から高校生迄
通学路の
とある一軒のお宅の庭に
素敵なピンク色の花を咲かせる
背の高い木
ネット等で
検索出来る時代でも無く
名は分からないまま
栴檀
諺の栴檀とは
本当は香木の白檀のこと とか
そこに嫁いで来られた奥様
お父様お母様そして
伴侶によく仕えて
クルクルと忙しく
立ち働いておいででした
そこに 男の子が二人
お産まれになり
益々多忙に
暮らしておりました
通学の途中に 垣間見るだけの
ご家庭の様子でしたが
ある日 ご主人様が倒れ
半身不随になられたことを
知りました
子供なりに
暮らし振りの変化を感じ
痛ましく思ったものでした
学生時代を終え
買い物の道と変化して
奥様と言葉を交わす様になり
奥様の来し方を伺いました
生活が困窮し
息子達の医学部志望を
叶えることが出来ず
自力で学んで・・・としか言えなかった
その後 家庭教師等で
学費を工面 医師となりました
国境なき医師団の医師となり
誇り高く人生を送っていると
嬉しそうにお話し下さいました
最近 奥様の姿が
見られなくなりました
暫く振りに 栴檀の花を
仰ぎ見ていたら 家の中から
白髪混じりの男性が
出ていらっしゃいました
嗚呼 息子さんだ・・・
お母様は?・・・と
伺うと 認知症がすすみ
入所されたとのこと
おばさまとの出会いから
次々に様々な話に花が咲き
息子さんの知らない母の
アレコレを興味深い様子で
聞いていらっしゃいました
お医者にはなったけど
お金も暇も無い医者なの・・と
嬉しそうでしたよ と話すと
そう言ってましたか〜と
感慨深いご様子
私とお母様と同じ高校だと分かり
懐かしく会話したことも
新鮮な気持ちです と
嬉しそうに
聞いていらっしゃいました
15歳歳上のおばさまとの
学生時代の話も
私立の女子高校の為
同じ先生に学んでいたことも分かり
思い出しながらはずむ会話・・・
ご縁の不思議を思いました
栴檀は双葉より芳し
初志貫徹された
二人の息子さん
その様に育てられた御両親
栴檀は 本当は 白檀とか
まあ そこは余り詮索しないで
双葉🌱は確かに芳しく・・・
そして
おばさまは夢の中に
暮らしています
働き詰めの日々
お疲れ様でしたね
今 息子さんと
おばさまの話をしていますよ〜
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