またしても書評。
昨年末から新年にかけて「自省録」を読んだ。
キリスト教以前のヨーロッパが、こんなにもふくよかであったのかと、改めて思い知らされた。
仏教に通じるものがある。
当たり前の話だが、東洋思想と西洋思想はつながっていた。
キリスト教が、いかにその後の世界をゆがめたか。
現在の西洋思想と東洋思想の乖離。
一神教の「全てか無か」は、対立を作り出すだけである。
(後には宗教改革で身内での殺し合い)
当ブログで、ユダヤ=キリスト教を悪く描いているが、それは支配者としての奴ら。
末端の純粋な信者を攻めているわけではない。
支配者としては、表も裏も。
(植民地支配とバチカン)
「ふりだしに戻る」。ギリシアの自然哲学者あたりからまた。
マルクス・アウレリウス・アントニヌス(121-180 AD.)
五賢帝最後の皇帝。前帝アントニヌス・ピウスの養子であり、女婿。ストア派の哲学者でもあったので、哲人皇帝と言われる。
人物的に優秀な人を養子にして継いでいくというのは、賢いやり方である。(さすが政治と建築のローマ)
今の時代を見るまでもなく、プラトンの言う「哲人政治」が正解である。
糞まみれで死んだヘラクレイトスも出てくる。ヘラクレイトスとパルメニデスは反対のことを言っているわけではないと思うのだが。
当たり前のことを言っているので、読みやすい。無人島一冊にうってつけ。