アンデス土器の偽物の展示。天理参考館『器に見るアンデスの世界展』から。展示は4/17~6/3まで。
今回の展示で偽物も並んでいると言うことで,興味深く拝見。贋作作りは盗掘の歴史と密接に関わっており、スペイン征服時は金、銀製品だったのが,1860年代前半から土器の収集が欧米博物館で高まって,贋作も出てくるようです。1950年代からは真作を凌駕するほどで、当初は破片を補修して官形品に見せていたが、鉱物由来の泥漿で彩色する贋作が作られるようになったんだそうです。
「棍棒を持つ擬人化された神・壷」ナスカ文化、部分贋作。2022年受け入れ。推定20世紀製作。解説には底部に補修した痕跡が残るが,図像はオリジナル。類例では手に棍棒と首級を持っているが、本例では首級が描かれていないことから、現代に作られた贋作である可能性も考えられる。(同展図録解説から)