キートンの四方山話

大学で産学連携や知財をやっています。海洋・深海や船舶関係が多め。発言はあくまで個人的見解で所属の組織とは関係ありません

日本宇宙生物科学会シンポジウム

2005-10-03 02:31:54 | 日記
人類は宇宙に進出し、そこで適用できるか」(10/1、東大・駒場)

"動物の生理と恒常性(ホメオスタシス)"(跡見 順子先生、東京大学) 
"木から降りたサル、宇宙へ上る"(中野 良彦先生、大阪大学) 
"心と行動の進化と適応"(長谷川 眞理子先生、早稲田大学) 
"宇宙時代におけるロボティックスの役割"(高西 淳夫先生、早稲田大学) 

ちょうど瀬名秀明さんの『デカルトの密室』を読んでいる最中なので、脳や哲学、ロボット工学やA.I.に関するシンポジウムは、大変興味深いものでした。今年のシンポは、ちょっと宇宙生物学とは毛色が違ったのですが・・・

個人的な関心毎は、
・科学者/工学者はもっと哲学を勉強すべき。人とは何か、心とは何かを理解するための研究をするなら、哲学は必要。しかし、今の若い人は哲学を勉強していない!
・A.I.をつんだロボットマウスと本物のマウスの実験。
・臨床医学の分野でロボットが意外と活用されていること。
・A.I.とロボットを使った感情のモデリング。
・ロボット工学の歴史と最新動向。実際の映像。
 (これまた瀬名さんの『ロボットオペラ』(でしたっけ?)を読んでみたくなりました)

他に
・心と身体を研究している女性研究者がそろって、研究成果や実際に子供やその母親達と接している中で危惧している事として、「今の子供と母親は心配」「このままだと(少なくとも)日本人は滅びるのでは?」と思われている点。
 (個人的には、ここに"父親"が出てこない事も問題だと思う。"父親が危なくない"のではなく、影響を与えないくらい/影響がないくらい育児に"父親"が関与していない、ということの証左でもあろう。
・今の子供は心配。今後の行く末が・・・。ゲームを作ったりロボットを作ったりしている研究者・工学者は、自分達の研究ばかりではなく、子供達への影響を考慮してほしい。

など。

確かに子供や育児、教育は大変だと思う。自然の中で遊び、人や自然とふれあい、実際自分で体験し、そしていろんなことに疑問を持ち、それらを自ら解決するという環境に、今の子供達はないのではないか。バーチャルでだけ体験し、疑問は深く追求せず、刹那的に生きる子供が成長して作る社会は、どんなものになるのだろうか?恐ろしい気がする。

法律で、子供達に1ヶ月ほど田舎に行って自然や人と触れ合う機会を作った方がいいのでは、というコメントが講演者からあったが、私も同意見。ついでに、理科系に進む学生にも、哲学や宗教などを学ぶ事を必須とした方がいいと思う。
まだ私が学生のころは、寮の仲間と夜遅くまで哲学論争(宇宙の果ては、宇宙の始まりは、人とは何か、生物とは何か・・・)をしたもの。ついでに政治もね。
最近の学生はどうなのだろうか?私の認識不足だといいのだが。

なんだかよく分からない文章。

と未婚で子供もいなくて次世代に何の責任も負っていない私が言う資格もないのかもしれませんが・・・


話は変わりますが、最近、昔によくやっていたように、いろんな人の話を聞きにいったり、いろんなところに行ったり(旅行や登山、ダイビング)、いろんな本(専門書だけでなく)を読んでいるし、映画も見ている。それらをやっている時だけは、「私」を取り戻している気がするし、少しはましな人間になってきている気がする。まあ、それをやっている休みの日だけなのであるが・・・。せめて負のスパイラルから逃れられるようにならないと。

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