キートンの四方山話

大学で産学連携や知財をやっています。海洋・深海や船舶関係が多め。発言はあくまで個人的見解で所属の組織とは関係ありません

厚生省のマタニティマークの選定に物申す

2006-03-14 00:19:59 | 日記
厚生労働省は、先日「マタニティマーク」を公表しました。しかし同じコンセプトで、すでに6~7年前から一人の女性がマーク「BABY in ME」(写真)を作って活動を始めていて、日本助産学会の推薦や自治体・公共交通機関への普及実績があるものがあります。なぜわざわざ厚生労働省独自のマークを選定する必要があるのでしょうか?もちろん、民間だけでは社会への浸透は難しいので、厚生労働省がこのようなマークを推奨するのは喜ぶべきことですが・・・

民間の成果だけを横取り、厚生労働省の手柄にしているような気がしてなりません。

マタニティーマークは、妊娠初期のつらい時期、なかなか周囲の理解が得られないため考え出されたマーク。おなかが大きくなると妊娠していることが一目でわかり、優先席にも堂々と座れるし、席も譲ってもらえるだろうし、丁寧な対応をとってもらえるけど、妊娠初期は、つらいにもかかわらず、見た目には分かってもらえないため、苦労しているそうです。
私もこの間友人の奥さんが妊娠した時にプレゼントしました。

私が「BABY in Me」の活動を知ったのは、2000年の朝日新聞ネット版(その朝日新聞が厚生労働省の報道をする時に「BABY in ME」にまったく触れていないことは嘆かわしい限り)。私自身も友人関係もなかなか使う機会がなかったのですが、その間に「BABY in ME」は、多くのマスコミに報道され、日本助産学会の推薦を受けたり、医療機関で配布されたり、公共交通機関でポスター掲示や売店での販売、など一人の女性が始めた小さな一歩がこの6年間で浸透し、多くの賛同者が出てきていました。

もちろん、民間-特に個人の活動-だけでは普及に限界があるし、「BABY in ME」やヒヨコクラブなどの雑誌のグッズを身に着けても、それらが社会に浸透しないと役に立つケースが少ないかもしれません。だから、国がこういったマークを選定し、「妊産婦にやさしい環境づくり」を目指そうとする活動には、大賛成です。

しかし、だからといって、民間の-個人の思い-を無視して、その成果だけを横取り、厚生労働省の手柄にしていいわけはありません!

おまけに優秀作品には「BABY in ME」の文字が使われた作品が!この作品「BABY in ME」とは関係ないとのこと。厚生労働省の役人はどういう感覚をしているのでしょうか?

皆さん、どちらのマークを使いますか?私はこちら(「BABY in ME」)の方がより妊婦であることが分かると思います。厚生労働省のマークは、ちょっと見ただけでは、"赤ちゃんを抱っこしているお母さん"に見えてしまいます。
このマーク見たら、「あら今日は赤ちゃん連れての外出じゃないのね。じゃあ、席譲らなくてもいいか」と思うかも。
皆さんはどちらのマークを使いたいと思いますか?

せめて、「BABY in ME」をはじめ民間にいろいろあるマークをすべて認定し、厚生労働省としても積極的にマークの認知度の普及を図り、「妊産婦にやさしい環境づくり」を行ってほしいと思います。

---
ちなみに写真は、すでに実績のある「BABY in ME」のマーク。バッチやステッカー、車用サイン、T-シャツなどの商品があります。通販で購入できます。私も通販で購入。独身男が一人でベビー用品店には入れませんって。

link:「BABY in ME
   厚生労働省のプレスリリース
    →厚生労働省のマタニティマーク


未婚男性が何熱くなっているんだろう、と思わなくもないけど・・・

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5 コメント

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Unknown (早稲田大学鋳物研究所スキー部長)
2006-03-14 18:09:29
TBありがとうございます。

私も貴方の記事に賛成です。
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Unknown (にゃあ)
2006-05-19 01:50:55
初めまして。

マタニティマークを検索していてこちらにたどり着きました。

TBさせていただきました。

ありがとうございました。
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政治状況 (Unknown)
2006-07-12 22:34:26
少し気になるコメントがありましたので、レス

します。



>民間の成果だけを横取り、厚生労働省

>の手柄にしているような気がしてなりません。



これは厚生労働省が勝手にやったというスタンスのようですが、実際は違います。



ご存知かもしれませんが、公明党が厚生労働省に働きかけて、行ったものです。実際に母子保健に関わっている者たちは、既にマタニティマークがあるのだから、屋上屋を重ねることには反対です。



つまり、公明党が選挙対策でやったこと、というのが本当のところです。つぎホームページが参考になります。

http://matsu-akira.com/page5-matanitiy.html
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Unknown (キートン)
2006-07-18 01:47:05
情報ありがとうございます。参考になりました。

なんだかな~、という感じ。いろいろ言いたいけど!





それよりも、選挙対策なら選挙対策らしく、もっと普及に力を入れて!という思いです。作って終わりではなく!!手段と目的が逆転してしまわないように。

(出来てしまったものは仕方ない。といっても私は「BABY in ME」をはじめ既存のマークを推進して行きたいと思いますが)



厚労省のマーク、周知のためのポスターが駅などで掲示されていましたが、今はもうありません。既婚の知人に聞いても、マタニティマークの存在すら知らない人が大半でした。また、マークを知っている人も厚労省の取り組みはまったく認識していませんでしてた。最近出産した女の友達も、そういやそんなマークがあったね、という程度の認識でした。



マタニティマークを作って終わりではなく、その目的を達成するための努力が必要だと思います。これは役所や政治家云々というよりも、私たち自身の。

「妊産婦にやさしい環境づくり」、少なくともその思想は、上から指導されたり押し付けられたりするもののではなく、私たち自身の手で実現していかなくてはならないものだと思っています。





まあ、政治家や行政があてにできるのか分からないですし。

この手の政策で、議論できる場ってどこかご存じないですか?



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Unknown (JIRO)
2006-07-20 22:29:56
れす、ありがとうございます。



前回は名前を入れ忘れましたので、今回は入力します。



まさにおっしゃるとおりで、「マークを作った」で

終わるのではなく、個々人の問題ですよね。



政治家(特に公明党や民主党に多いが)は、目に見える手柄を欲しがって、魂のない仏を沢山作っているように思えます。



きちんと議論できる場があるといいですね
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