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久しぶりに【踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望】を観ました。
ワクワクして観た映画第1作・第2作に比べると、死にそうな爺さんの臨終に立ち会うって感じ。
作品の失速感は否めませんな。
他の刑事モノ作品に比べると、比較的レギュラー陣の新陳代謝は活発だったとは思うんですが、それでもダメなものはダメ。
スタート時は『キャリアとノンキャリアの確執』『本庁と所轄署の反目』というリアリティを伴った世界観が、既存の刑事ドラマとは一線を画しており、成功の要因となりました。
ところが、いまやすっかり田舎の年寄りが観る様な、2時間サスペンスでも『キャリアがどーの』だの『所轄がどーの』だの描いています。
もちろん、死ぬほどリアリティはありません。
そんな現在の状況を鑑みますと、青島くんの『所轄の意地、見せてやっから!』ってセリフも空々しく聞こえてしまうのです。
【太陽にほえろ!】も同様でした。
若い刑事が走り回り、拳銃を撃ち、殴り、蹴り、カーチェイスをするのが新しかったのが、長期化すれば『んなわきゃねーだろー』となります。
作品の持つ世界観が、シリーズが長期化するにしたがい、逆にその作品の首を絞めてしまうという事ですね。
ちなみに【相棒】では【本庁】ではなく【本部】と呼んでいますし、キャリア云々も敢えてオミットしています。
いつだかカイトくんに『そういえば、杉下さんもキャリアでしたもんね』なんて呑気なセリフを言わせていました。
どんな商売も差別化って大変です。
さて、世間的にも評判のよろしくない【~新たなる希望】ですが、オープニングは秀逸でしたねぇ。
レギュラードラマ・スペシャルドラマ・映画、全作品の中でもっとも良い出来であったと思います。
まぁ、第3作【~ヤツらを解放せよ!】では例の【El Cascabel】・・・じゃなくて【Rhythm And Police】を使っていませんでしたから、盛り上がりには欠けるってもんです。
また、正直、スリーアミーゴスあたりのやり取りは必要性ゼロ。
とにかく主要メンバーだから出番作んなきゃ、ってトコでしょう。
そこそこ古参メンバー化していた小泉孝太郎を犯罪者役にしちまうってのは、スタッフの作品からの強い決別を感じました。
この点は高く評価したいものです。
シリーズスタート時、織田裕二っていまひとつだった気がするんです。
だって、元は月9俳優ですよ。
それが、この作品は火曜9時。
草なぎくんならともかく、キムタクが顔を出す枠じゃないですよね。
そんな微妙な立ち位置や枠であったのが大化けするから、エンターテイメントは面白い。
そんなエンターテイメント作品を心から所望します。
あ、あと【踊る~】の復活はホントに結構です。
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栄えある日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した【El Cascabel】・・・じゃなくて【Rhythm And Police】。
【El Cascabel】は古ーいメキシコ歌曲。著作権は切れてるので法的問題はないそう。
ジェネリックってわけです。
とはいえ、クリエイターとしての倫理は問われますよね。