立派な道具を借りたのはいいが、やればやるほどパイプが凸凹に変形してしまう。おまけに、切ったパルピットを取付けてみると、曲げている最中に歪んでしまって、互いの切り口が段差になって離れ離れと相成った。そこで、急遽知り合いの曲げ屋さんに駆け込んだ。だが、へしゃげたステンレスパイプの修理は専門外らしく、相当に苦労してようやくカーブだけは破損を免れた側と変わらない曲線になった。
そして、あまりの惨状に、作り変えるしかないと修理専門の業者に聞いてみると、とんでもない費用がかかる。ヨットの製造メーカー(海外)だといくらかかるか想像もつかない始末。こんな状態ではヨットを売るにも売れない。
困難に出あって、はじめてその人の真のネウチがわかるというのが勁草の意味だが、残念ながら私には全くそのネウチが無いようである。
見るに見かねた知り合いが、忙しい仕事の合間に何とか使えるように手直しをしてもらった。その神業を見ていると、パイプの曲がった箇所を直すのがいかに難しいかが改めて解った。但し、凸凹になった箇所はどうしようもない。何かで厚化粧でもするしかない。
桟橋の釘が、ひょっこりと顔を出している。よく見ると、自分の桟橋だけでも4つあった。管理事務所には伝えたが、他の桟橋でも同様だと思われる。誰も怪我などされないことを祈る。