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例年より大幅に早いが、今年も「むかご御飯」の季節になった。山芋(自然薯)のつるに実が付くのが零余子(むかご)で、この名前は全国共通ではないだろうか。山に分け入らなくても、自然な場所の柵などによく生えている。我が家は庭に植えていて、何もしなくてもどんどん殖えていっている。私的感想と断れば、この混ぜご飯に勝るものは未だ食したことがない。赤飯も定番で美味であるのは言うまでもないが、自然の味が御飯とマッチする様は赤飯と比べようがない。筍ご飯などもそれは美味しいのだけれど、美味しさの土俵が違うと言っておこう。
京都の山奥に住む老婦人が、年に一度の愉しみだと呟いておられたように、その言葉を裏切ることがない秋の贅沢な逸品である。