友人が呟いた。
「僕は粒あんは苦手だ、あのつぶつぶがどうにも歯にまとわりつくようで」「そうかなー、あのつぶつぶがいいんだよ、こしあんは覇気がないし、第一こしがないじゃないか」
「粒あんはダサいよ、上品さがまるっぽないよ」
「そうかなー」
甘党には、御座候や蜂楽饅頭には目がない。昔懐かしい回転焼とかけいだい饅頭を想いだすのは高齢者の常だろうか。そこで、日本あんこ協会の説明を拝借すると次のように書いてあった。
<つぶあん>
小豆をつぶさないように炊いた小豆のあんこ。小豆の皮は炊いているうちに破れやすく、職人の手により炊き上げられたつぶあんは、皮に一切の破れもなく、見事なまでに美しい粒が整っていて、小豆そのもののうま味とえぐみ、独特の風味が凝縮されている。
<こしあん>
小豆を炊き、つぶを裏ごしして外皮を取り除き、砂糖を加えて練り上げたあんこで、非常に滑らか。ほんもののこしあんは、見事に美しい小豆色、あるいは藤紫色で見ているだけでうっとりしてしまう。
<つぶしあん>
つぶあんの粒をあえて潰して炊き上げたあんこ。つぶつぶした感じはないが、外皮が小豆の独特の味を残していて、こしあんより小豆の味をしっかりと楽しむことができる。
<小倉あん>
大納言など大粒の小豆を蜜煮で甘くして、こしあんに混ぜて作ったあんこのこと。京都の小倉山が由来と言われており、また小倉あんの見た目が、鹿の毛並みにみる斑点模様に例えられたことによる説もある。