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水俣病訴訟144人の請求棄却に想う

「2009年の水俣病特別措置法の対象外となった144人が、国と熊本県、原因企業チッソに損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁は22日、請求を棄却した。」(日経)
非常に難しい判断だったろうと想う。水俣病によるものか、それ以外の要因が紛れ込んでいるのか、誰にも分らない医学的な側面があるからである。”疑わしきは罰せず”とあるが、症状の特定が難しい病気の賠償請求では裁判官も困ってしまうだろう。訴える側にも、もう少しやりようがあったのではと思うが、訴える住民の線引きも容易なことではない。
こと被害者に至っては、高齢化や困窮は刻一刻と重くのしかかっている。裁判だけで救済を求めて解決するとは思えない。訴訟による賠償金が支払われても、それは一時しのぎのものでしかないし、加害者への罰の一つでしかない。被害者の救済には程遠いものである。
個々人への救済とは別に、水俣病に影響を受けた地域全体の救済を、チッソ㈱だけに負わせるのではなく、巨額の内部留保を増やし続ける大企業にも連帯責任として、国が課徴金により供出させて、その地域に恩恵を与えることこそが求められているのではないだろうか。

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