日本には、神風とか神がかりといった科学を超越した言葉がある。なぜそこまで変な信仰心があるのかと言えば、いたって簡単明瞭だ。日本列島が古から風水害に晒されてきたせいである。仏様でも神様でもどちらでもいいのだ。だから、普段は殆ど信仰心は表面に出ない。日常生活では関係ないのである。キリスト教のように日曜日とかに決まって礼拝をする人はまずいない。信仰心は世界で一番希薄ではないだろうか。そんな民族でも、地震や台風、火事などが発生すると極端に恐れた。
広島・長崎の原発投下でも恐怖のどん底に落ちた。あの阪神淡路大震災や東北大震災でも、福島の原発事故でも恐れおののいたのだ。だが、暫くするとケロッと忘れてしまう。災害列島に育った民族の悲しい習性なのである。
そんな日本民族が、男系とか女系と大論争すること自体おかしなことである。そんな論争をする連中は、渡来人と思って差し支えない。科学的に言ったら、男だろうと女だろうと生まれた子は等しく50%に薄まっているのだ。それが数代続くと1%を切ってしまう。逆に言うと、28代前に遡るだけで2の27乗=1億3421万7728と今の人口より多くなってしまう。今の天皇は126代というから、2の125乗=42,5352,9856,5117,3079,3292,1825,9289,7102,6432となる。即ち、何々家というものは何の意味もないのである。
女系や男系を議論するなど、おどろおどろしいことこの上ない。まさに呪詛の現代版であろう。そういう連中にはへんてこな宗教団体と同じく、何かが取りついていると見た方がいい。社会的には百害あって一利なしの危険な兆候なのである。ただ注意しなければならないのは、その連中の大半が何らかの利益のために、非科学的と分かっていながら主張している節がある。神を信じるふりして神を恐れぬ振る舞いができる連中だということである。