飾らない 素直な 自分らしい毎日に乾杯!

人生いろいろ、山在れば渓あり、それぞれに生きる道あり

セーヌ河口にある小さな港オンフルールにはヨットがひしめいている。
小学六年生の思い出である。戦争から復員した先生が担任だったような記憶がある。黒板に『ぜいたくは 敵だ』と書いた後で、敵の前に素を入れたのを思い出す。国民の正直な思いと軍部への皮肉が表れたものだというようなことを話された記憶がある。58年前の話なのでどこまで正しいかは定かではない。

クラスの中で5人が国立大学の附属中学校を受験するというので、放課後に特別授業が始まった。暫くたって、受験しない子も一人加わって6人の課外授業だった。田舎の子供が市内の附属中を受験するというのは大変なことだった。話によると、受験前のテストで70点台が二人、残る三人が40点台と30点台だったらしい。大変なテストであることは間違いない。受験の結果は70点台の男女二人が合格と相成った。

そのテストであるが、200点満点だったというから話はややこしい。そして、先生が無理やり課外授業に参加させた子が140点台だったそうだ。でも、人生は解らないものである。滑ったうちの二人の男子は、一人は大学の教授になりもう一人は役人の偉いさんになったという話である。幼き頃の悔しさが後々にその人を飛翔させたのだろう。

昔は暢気な時代だった。クラスの何人かを特別扱いにしても何一つ苦情はなかったし、先生が多忙を極めるような時世でもなく、多くの子供にとっては早く学校から帰るのが一番の長閑な時代だった。
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