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知床観光船事故調査報告書に想うこと

2022年4月知床半島沖で観光船が沈没した事故で、運輸安全委員会は7日、最終調査報告書を公表した。ハッチの不具合による海水流入と悪天候想定下での出航・運航継続が直接的な原因と結論づけた。(日経)

今回の最終調査報告書でも欠如しているのは、そもそも知床半島を観光船で遊覧することの問題点である。氷点下の海に観光客を乗せて遊覧するのをどうして許可できるのだろうか。こんな無謀な冒険を許すなら観光客が死ぬのは火を見るより明らかである。何故そこを調査委員会は指摘しないのだろうか。

事故に至る不備や安全管理の問題などいくらでも出てくる問題である。事故が起きても助かる必要十分条件が揃わなければ観光業務を許可してならないのである。根本原因はそこにある。北海道運輸局やJCIが見抜けなかったと指摘するが、いつものことである。自然界では何が起きるか想像すらできないのであれば、事故が起きても救出できる環境でなければならない。こんな報告書では悲しいかな絵に描いた餅でしかない。亡くなった人は未来永劫浮かばれないだろう。
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