日本では昔から、見立てを文化の中に取り入れてきました。枯山水などは見立てそのものですし、あるものを別のものになぞらえる見立ての手法は、芸術表現を豊かなものにしています。
そういう見立ての世界をジオラマの人形や日用品で表現した、田中達也「MINIATURE LIFE(ミニチュアライフ)」展が佐賀県立美術館でありました。氏の作品は数年前、連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバックで、バスが畳の縁を走ったりする映像が印象に残っています。
展覧会は撮影OKで、SNSでのアップも推奨でした。会期は終了しましたが、固定観念をくつがえす見立てによる作品を少しばかり紹介します。パネル展示と表示したもの以外は、実作品です。いずれもアクリルケース等に入っているので、光の反射や観覧者が映り込んでいる場合があります。
佐賀県立美術館です。向こうは博物館で、内部は通路でつながっています。前回、ピカソ展に来てからもう5年になります。
「よいこはコンセントに、モノを入れないでね。」
ごあいさつ代わりの等身大パネル作品です。郵便受けに手を伸ばしているのは制作者の田中達也氏。隣には、彼が写っていない元のパネル作品があります。
作品名を記録し忘れました。彼女は目的地までたどり着けるでしょうか。
「”本”気の走り」 パネル展示より どの作品名にも言葉の遊びがあります。
これも作品名を記録していません。 パネル展示より
「カウンターテーブル」
「ステイセーフ、ステイテープ」 パネル展示より 旅行をご安全に
「たっぷり遊んで心の洗濯」 パネル展示より
「ほんなこて、半田ごて~」
「ペースを乱さない走り方」 パネル展示より
「雨あけパンチ」 これは当日チラシからの転載です。
「小さくても大太鼓」
「鯛よりおめで”たい”」 釣れたのは茶柱
「トウモロコシ燃料ロケット」
「テープの減りが早いのは、ヘリが速いからです」
「かぜをきって走れ」 近頃はうっかり風邪もひけません
「曲とともに思い出も記録します」 SDカード
「今夜はここに泊めてクリップ」
「死んでもプラス思考」 パネル展示より
「ここから先は若い二人の道」 花嫁をエスコートしているのは?十年前の私
「ビール冷えきってます」
「ディッシュニーランド」
「大型ショッピングヒール」
制作に使用する人形は30,000体以上になり、職業別、ポーズ別に保管しているそうです。また100円均一やホームセンターで買い物をしている時に一番アイデアが出やすいとか。
豊かな想像力をいかんなく発揮している作品群ですね。実に楽しいです。
こうした発想は、川柳にも通じるものがあるかも知れませんね。
青葉様の川柳、いつも楽しく拝見しています。