田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

「アール・ヌーヴォーのガラス」展

2023年06月21日 | 美術館・博物館

 先々週まで九州国立博物館で「アール・ヌーヴォーのガラス」展が開催されていました。会期の終わりに出かけました。大宰府天満宮の参道はアジア系の外国人が目立ちます。ただ旗を持った添乗員が引率する団体ではなく、グループや家族連れなどがほとんどです。

 天満宮の花菖蒲はやや盛りを過ぎていました。でもまだ見頃です。

 特別展のサブタイトルは「ガレとドームの自然賛歌」です。会場内は条件付きで撮影可でした。近年はこういう展覧会が多くなりました。

 本展はガレとドーム兄弟のガラス工芸がメインですが、プロローグは古代のガラス工芸 から。時代を追って技法の変遷が説明展示されていました。私はガラス工芸について全く知らないので、以下の説明は会場の解説によります。最初は耐熱粘土で核を作り、その周りに溶けたガラスを巻き付けるコアガラスから展示が始まります。

 コアガラス脚杯 紀元前14世紀 エジプト 

 コアガラス両手付尖底壺  紀元前1~2世紀 東地中海

 ミルフィオリ(千の花)皿と杯 紀元前1世紀~後1世紀 東地中海あるいはイタリア 

 古代ローマで吹きガラス技法が生まれる。器壁は薄く、高温処理でガラスが透明化する。

 鳥獣文脚杯 19世紀 オランダ 14世紀半ばにヴェネツィアでクリスタルガラスが登場

 19世紀末にフランスで新しい芸術の潮流が生まれます。いわゆるアール・ヌーヴォーです。私がベル・エポックとこの言葉を知ったのは学生時代。曲線を多用する装飾的なデザインや女性の描き方に少し退廃的な匂いを感じていました。しかし同時にこの芸術思潮は草花や昆虫など自然を主なモチーフとしていました。本展のテーマである自然賛歌です。また当時ヨーロッパで流行したジャポニスムの影響を受けています。エミール・ガレとドーム兄弟はアール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家。

 「騎士にロレーヌ十字文鉢」 1875年 エミール・ガレ

 「菊にカマキリ文月光色鉢」 1884~1889年 エミール・ガレ

 「昆虫文水差」 1884~1889年 エミール・ガレ

 

「伊万里風縁飾蓋物」1884~1889年と「伊万里風縁飾水差」1889年頃 エミール・ガレ

 「忘れな草文小鉢」 1899年頃 ドーム兄弟

「シクラメン文小水差と杯」「モクセイソウ文小水差」 1901~1902年頃 ドーム兄弟

 「湖景文広口花瓶」1911年頃 「風雨樹林文広口花瓶」1903年頃 ドーム兄弟

 「樹林文扁壺」1908年 「セイヨウサンシュユ文扁壺」1920年 ドーム兄弟

 

 「アール・ヌーヴォーのガラス」展。ガラス工芸品をまとめて観たのは初めてでした。

 特別展会場を出て、ついでに平常展の古伊万里を観てきました。

 帰りは天満宮に参拝。

 本殿は今年から3年間の改修工事に入り、仮殿が設けられていました。屋根の上には植物や樹木が植えられています。飛梅伝説がコンセプトだそうです。

 手水舎。アジサイが飾られていました。今はこうした神社が多いですね。

 帰りの太鼓橋。左に見える国重文の志賀社も改修工事中でした。

 筑後地方は梅雨に入っても晴れの日が多いです。そんな中、こちらでも田植えが始まりました。まだ代掻きをしている田もあれば、水面が輝いて早苗が風になびいている田もあります。菱野の三連水車も堀川用水が通水し稼働を始めました。

 

 

 

 

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