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言葉は無用、言葉は不要。なれど

2007年03月15日 15時41分45秒 | 雑記
何年か前。

老舗のゲーム会社にプランナーとして勤務していた
私が退社した後のこと。

何かしらの用事で、
通っていた専門学校に顔を出した時に
その先生は言った。

「○○がプレゼンで言った言葉、今でも覚えてるわぁ」

通っていた学校では2年目からチーム制作を行い
全3回のプレゼンテーションを経て学校内の評価順位を
決めるという……競争を実践させていた。

私が2年生・第1回のプレゼンテーションにおいて
壇上で言った言葉を覚えているというのである。
更に数年前……もう10年近く前のことだ。

不思議そうな顔をしている私に先生は言った。

「これから私たちの紹介する新機軸シューティング・ゲーム
 アウトレット・ギィィアァ……って舌を巻いたのが」
と言って、ひとしきり笑っていた。

あの笑顔が、
あの言葉が、
先生が立っていた場所までも覚えている。

なぜ、そんな他愛もないことを覚えているのか
私にも分からない。

昨日。

お棺の内側にあった先生の顔は、とても綺麗で……。
あの時と、なんら変わっていなくて。

「嘘だよ~ん、じゃじゃ~ん」なんて言って
今にも起き上がってきそうだった。

何かの冗談じゃないのか。
タチの悪い冗談じゃないのか。

そんな思いが最後まで抜けなかった。


老いも若きも。
知る人にも、知らぬ人にも。

ここを去った人にかける言葉は、いつも一つ。
ただ一つ。

無用、不要、なれど……
お疲れ様でした。


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