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プロが教える!リコーダー上達講座 その4 高い音域をきれいに鳴らすには HOW TO HIT THE HIGH NOTES

2017-05-04 13:11:09 | リコーダー/音楽 あれこれ
高い音域をきれいに鳴らせるかどうかは腕の差が出やすいところです。
それだけにみな共通の悩みなようで、サラさんの元にもこのテーマについて、たくさんのリクエストがあったということです。
サラさんはどのような解説をしてくれているでしょうか。観てみましょう。
動画はこちらです。
 
 



音域を4つに分けて考える
まずリコーダーで出せる音域を4つに分けます。
 第1音域:すべての穴を完全に塞いだ状態から穴を完全に開放した状態まで
 第2音域:アルトでは高いG#からDまで
 第3音域:同 D#からF
 第4音域:G以上

同一の音域では、楽器の中の気流がさほど変わらないので楽に音が出せます。
これが異なる音域になると難しくなります。例えばアルトでG⇔Aのトリルをするとぎこちなく聴こえますね。

高い音を出す際には、その前後の音と同じ音域か違う音域かということをまず意識しましょう。
 
左手の親指で注意すること
第2音域以上の音を出す際には、サムホールを半分開けるようにしていると思いますが、これは必ずしも正しくありません。
実は、どの音でもちょうど半分開ければよいというものではなく、すべての音程で微妙に調節することが大事なのです。

原則的には高い音ほどサムホールを開ける量を小さくしますが、それぞれの音で正確に調節する必要があります。
高いFを出す際、私は左親指を0.5mmほども開けていません。

これを体得するには、高いDで少しずつ指を開ける量を変えて何度も試してみることです。すると次第にどれくらい開ければ音がきれいに出るかわかってくるでしょう。
 
また、親指のどこで押さえているかも重要です。
 
普通は指のやわらかい腹で押さえると思われていますが、それは少し違います。この理由は指の腹の真ん中で押さえてみればわかります。そうやって押さえると、手の構えが不自然になって演奏しにくいですよね。
 
左手の力を抜いてOKサインの形を作ると、人差し指は親指の少し横側にタッチする。私はこの爪の少し左上の部分で押さえています。
この親指の位置でサムホールを押さえるようにすると、自然な手の構えで親指の運動量が最少になって高い音が出しやすくなるでしょう。
 
また、親指の爪は短く整えておくこと。爪を伸ばしていると間から空気が漏れたりサムホールに溝を削ることになります。
 
息の吹き込み方のコツ
多くの人は高い音ほど強く息を吹き込めばよいと考えますが、それも正しくありません。それぞれの音域に適した息のスピードがあるのです。

必要なのは「強い」息ではなく「速い」息です。
この講座のその3「ソプラノをいい音で吹きたい人のために」を参照してほしいのですが、そこでの説明はここでも当てはまります。
速い息とは冷たい息であり、遅い息とは温かい息でしたね。
第1音域では遅い息で使い、原則的には高い音ほど息のスピードを上げますが、乱暴に息を吹き込むのはNGです。

ここでのコツは、アーティキュレーションをうまく活用すること。吹き始めにはっきりと「トゥッ」と発音するのです。
こうすると、息が強すぎたり音程がずれたりすることもありません。

息のスピードを調節することは、特に低い音域から高い音域にジャンプする際にカギとなる技術であることを覚えておいてください。
 
高音域の練習法
低い音域から順に高いDに飛ぶ練習をゆっくり正しく行います。この際、温かい息から冷たい息に適切に調節することを心がけます。

さらに、最低音のFから高いC, C#, D・・・と順に高い音へとジャンプする練習をします。
高い音で音割れしたりする原因として、息のスピードが足りなかったり、アーティキュレーションが弱かったり、サムホールを開けすぎていたりすること、あるいはそれらが複合的に原因していることが考えられます。

さらに段階を進めて、分散和音で練習します。ゆっくりゆっくり分散和音を吹いて、どの音もきれいに出ているか集中して聴くこと。
 
高い音域だからといって避けず恐れず、とにかく親しみ慣れることが第一。
練習の際にちょっと時間を割いて高音域を出す練習をして、なぜうまく音が出たのか/なぜ出なかったのかをよく考えてみることが上達の近道です。
 
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