女として大阪で暮らす2

初心にもどり、ちゃんとブログをつくりたいですね。
たまに、読んでください。誤字脱字は、ご容赦くださいね。

天国への階段(文鳥花作)

2015-12-16 16:17:29 | 日記
昔私は来る日も、来る日も味気ない人生をおくっていました。
まるで、死ぬ前の死神を見たおばあちゃんそのものでした。

しかし、あるときに、私に天国への順番がとうとう、きたのでした。
やっと、退屈な日々にさよならできる、とうきうきとあるいていきました。

そうお花畑がみえたのです、その前に三途の川の橋を慎重にわたります。
人間としてはじめてみた、いや人間をやめてからはじめてみた美しい花たちの景色に思わずうっとりとしてしまったのです。

そこは、天国なのか、それとも黄泉の国なのかはわかりませんが、とてもいいにおいがして、いつまでもそこにいたい楽しい気分でした。
わたしは、もっと奥に行こうとしました。さて、その前に大きな階段がみえたのです。

たぶん、これから私は地獄に行くのか、天国に行くのか別れるのだとおもったのです。
二つの階段が私の目の前にみえたのです。
その階段には、なにか、書いてあったのです。

ひとつは、後悔しない道と書いてありました。
そして、もうひとつは、後悔しないが、苦しい道と書いてありました。

私はとても迷いました、何もなく苦しくない道を選ぶのはためらったのです、苦しくても生きがいのある歩きがいのある苦労をしてみたいので、苦しい道をえらんだのです。

私はその階段をあがっていきました。そして雲の上にうまくのぼっていったのです。
苦しい道であり、でも後悔しない道。私はそんな人生をあゆんでみたかったわけです。
神様は、最後まで私に、答えをもとめたのです。

神様、今度こそ天国であれ、地獄であれ、ちゃんと私を必要としてくれるところに行きたい、みんなのために、働いていきてみたい。

神様は、こっくりとうなずきました。

「お前は、あの世で遣り残したことがたくさんあるようだね。」
そういうと、私は雲の下へとおちてしまったのです。

落ちた場所とは、なんと刑務所の中だったのです。
そこで私は、介護の必要な受刑者の世話をすることになったのです。
私も罪を犯した人間らしく、刑務所からでることはできないのです。

どうやら、無期懲役らしいのですが。
わたしは、とても喜びました。
そこで、いろいろな寝たきりの受刑者の面倒をみることができたからです。

自由こそはないが、生きている生きがいがたくさんあったからです。
死ぬ前に感じていた、無味無臭な人生ではないのです。

服は刑務服で、決していいものでもなく、化粧もできない。
でも生きているのが、たのしくてしかたなかったのです。
人を、あやめたであろう自分が、ちゃんと生きる意味を見つけていたのです。

神様、私はここでちゃんと、役にたちそして今度こそ、素敵な天国に行かせてくださいとおもいました。それから私は、99歳まで生きて、無事に刑務所をでて、てんごくにいったわけだけど、意味のある人生を送ったので、二度とうまれかわることはありませんでした。

ただひとつ、小さな植物にうまれかわったのです。
人間は、ちゃんと修行しないと、また苦しい人間の世界に、転生してしまうのです。

これは、私が、夢見たことですが、果たして、後悔しない道を選んでいたら、どんな人生だったのか、今でもその階段を上ったほうがよかったのか、少しは後悔しているのです。

それでもいまでは、春の温かい日差しにゆれている、草花になった私は、生きることを少しうれしく感じるこのごろだったのです。

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