お花見を待つ上野恩賜公園。
上野の森美術館ではでは、VOCA展2024「現代美術の展望-新しい平面作家たち」を開催中。
会期は3月14日~30日。
VOCA展は、1994年に始まった平面美術の領域で有望な若手作家を奨励する展覧会。
今回で31回目。
全国の美術館学芸員、研究者などから推薦された40才以下の31名から5名の選考委員によって、VOCA賞1名、奨励賞2名、佳作賞2名、大原美術館賞1名が選ばれた。
小山維子。
小山維子(1993~)は宮城県生まれ。
多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。
作品名:二重奏
作品名:あらわれることについて
素材:油彩、コットンリネン、木枠
作品名:ふれることについて
素材:油彩、パステル、ワッシャーシーチング、木枠
小山は、支持体の物理的条件を確認するかのように、画面の縁に筆を置くことから始めるという。
単なる二連画ではない。素材も異なる。そぎ落としぬいた最小限。
亀岡倫太郎。
亀岡倫太郎(1999~)宮城県生まれ。
東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。同大大学院芸術学研究科メディアアート専攻博士前期課程修了。
作品名:GO TO TRAVEL
素材:インクジェットプリント、額
作品名の通り。
それを支えるもの。
おばさんはなんとか割とはさもしく空しいものだなぁと思うのだった。
木下理子。
木下理子(1994~)は東京都生まれ。
武蔵野美術大学造形学部油絵専攻卒業。同大大学院造形研究科修士課程美術専攻油絵コース修了。
作品名:Living Room Cosmology
素材:アクリル、樹脂粘土、寒冷紗、プッシュピン
寒冷紗を重ねた透け感。
「居間」は私の「宇宙」とつぶやいてみた。
顧剣亨。
顧剣亨(1994~)は京都府生まれ。
フランス・アルル国立高等写真学校交換留学。京都造形芸術大学現代美術・写真コース卒業。
作品名:Waves under the Midnight Sun_5
Waves under the Midnight Sun_6
Waves under the Midnight Sun_7
素材:インクジェットプリント、アルミ複合板マウント、額
アイスランドの海を同じ構図で撮り続けたシリーズ102点の中からの3点という。
写真家ってなんだろ?と思うような昨今だけど、波音が聴こえてくるような写真は写真家でなければ撮れない、とおばさんは思うのであった。
小林勇輝。
小林勇輝(1990~)は東京都生まれ。
ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ ファインアート学科卒業。ロイヤルカレッジ・オブ・アートパフォーマンス科修士課程修了。
作品名:梅二月
素材:厚紙、アクリル板、額、鉄製模造刀、モニター、映像
小林は、パフォーマンスを主として、スポーツや儀礼、身体にまつわる社会的コード―身振り、衣装、ジェンダー、人種―をテーマに作品を制作発表してきたという。
〈梅二月〉は、「闘い」を学ぶことへの問から端を発したという。
一生にわたる身体所作を通した「やさしくなるための練習」としてカンフーを学び始め、最終的には香港へ渡り詠春拳体得。
詠春拳は女性身体の護身術として編み出されたというが、「闘うこと」をジェンダーをこえて読み解く。