国立新美術館。
「蔡國強 宇宙遊ー〈原初火球〉から始まる」。
会期は6月29日~8月21日。
国際的美術家・蔡國強は1957年に中国は福建省に生まれた。
1986年に日本に移住し9年過ごした後に1995年からアメリカで活動している。
蔡は、東洋古来の哲学や思想をベースに、風水や占星術、宇宙、目に見えない世界、科学技術、現代社会の社会問題などへの感受と省察を原動力に制作を続ける。
蔡の芸術の大きな特徴は、火薬を使い、スケールの大きな火薬ドローイングや火薬インスタレーションや屋外爆発イベントを通して、神話的で人類学的な壮大な世界観。
なれど、いくら広い展示会場とはいえ屋内で火薬を使うわけにはいかないから、「原初火球」は映像と絵画作品で展示。
壁には、30年前に発表された「原初火球」を蔡の芸術におけるビックバンととらえ、年代を追って展示する。
キネティック・ライト・インスタレーション「未知との遭遇」。
人類のためのプロジェクトNo.13。人類の墓碑銘。
そして問う。
〈原初火球〉の精神はいまだ健在か?
宇宙のなかに存在している人間性と人間の中に存在する宇宙性とは「合二為一」なのです。
その真理を感じて自分のものにするとき、宇宙は人間のサイズまで小さくなり、身近なものとなり、人間は広大無限の宇宙と一体となるのです。
心の中で自分の言葉に変換する。
愛したあなたも憎んだあなたも最小の塵となり始まりも終わりもない空間でまじりあいまた物語が始まるのだ、と。