第8回横浜トリエンナーレ。
今回のテーマは「野草:いま、ここで生きてる」。
環境破壊や戦争や経済格差や不寛容などの多くの問題を抱えながら、野草のようにもろく無防備でありながら、しかしこうした状況をたくましく生き抜こうとするひとりひとりに目を向ける。
会期は3月15日~6月9日。
会場は、横浜美術館をメインとして、旧第一銀行横浜支店、BankART KAIKO、クイーンズスクエア横浜、元町・中華街駅連絡通路。
この展覧会は7章で構成されている。
旧第一銀行横浜支店とBankART KAIKOは「すべての河」。
横浜美術館は「密林の火」「わたしの解放」「鏡との対話」「流れと岩」「苦悶の象徴」「いま、ここで生きてる」の6章。
横浜美術館。
「いま、ここで生きてる」。
文字通り、いま、ここで生きてる。
オープングループ(ユリ―・ビリー、パヴロ・コヴァチ・アントン・ヴァルガ)。
彼らはウクライナ出身。彼らは2012年に結成された。
結成したときはまさかこんな今現在のウクライナを描くことになろうとは思ってもみなかったはずだ。
ヨアル・ナンゴ。
エマニュエル・ファン・デル・オウウェラ。
マイルズ・グリーンバーグ。
日々を生きるための手引書。
ピッパ・ガーナー。
オズギュル・カー。
サンドラ・ムジンガ。
これみよがしな大きなカメラを抱えた高齢者グループが入ってくる。
ここは無料だからさぁ!(グランドギャラリーは無料)と言いながら作品の鑑賞はせずにいきなり写真を撮り始める。
思わず、この祖父母たちにしてあの孫たちか・・・
なんぞと何か評論めいたことが頭に浮かぶ。
最近あちこちの美術館やギャラリーで若い人たちを見かけるようになった。
それだけ日本国の文化が成熟してきたのかと思っていたら、そういう若い人も多いけど、さにあらずも多いと気が付いた。
SNS投稿のために、こういう場所でこういう展覧会を観ている素敵な私を演出しているだけ。
だからどうだと私は言いたいのか。
彼等が切り取っている風景はどんな風景なのか。
その風景はその人にとっての「いま、」なのだ。
そしてそうすることがその人にとっての「ここに生きてる」ということなのだ。
会期はまだまだあるし、フリーパスを買ってあるし、また来てみよう。
稽古に行ったら、道場の近くの公園の桜が満開になっていた。
明日は横浜も開花宣言が出るだろう。