諸事情から読売新聞を購読しているが、この新聞は一番充実してるのは家庭面だよなぁ(^^;中でも人生相談が一番面白い(^^;
なんて軽いノリでいつも斜め読みしてるんだけど、でも、今朝はこの記事がぐっとこころにきたなぁ・・・
渡辺和子氏のたからものは「毛糸玉」だという。
渡辺和子氏とは「置かれた場所で咲きなさい」がベストセラーになったノートルダム清心学園理事長のシスターである。著書は読んだこと無いが、何かの記事で父君が二・二六事件で目の前で命を落としたと読んだことがあった。
それがどう関係したかしなかったはわからぬが、恵まれた良家のお嬢様が俗世の欲の全てを削ぎ落として神に仕える道を選択された。
たからものは、母君が編んでくださったセーターの残り毛糸玉。。。
昨日、M様から来月早々に胃の全摘手術をすると言われて驚いた。御本人は冷静に落ち着いているからなおさら驚いた。そうしたら、もうすでに胃の2/3は無いという。知らなかった・・・
M様は私よりひとまわりほど年上の万事が素敵な女性。ただ、あれほどの女が成人した末娘さんに対して異常なまでに甘いことが不思議だった。なんでそこまでしてあげる必要あるんですか?と思わず何度か言ったことがある。そうか・・・そういうことだったのか。。
幸せな記憶ってなんだろうなぁ・・・
シスターの齢は卒寿。シスターの子供時代は今のように既製服を買う時代ではない。服は誰かがその人のために作る時代であった。その誰かは、一家の女手であったり街の服屋であったりはそれぞれの家庭事情によるが、買いたくとも売っていない時代であった。
こういうのは実に不遜で失礼極まりないが、シスターが今の時代に生まれていたらどうだったんだろうか?母君はセーターを手編みしてくださったんかな?仮に手編みしてくださったとしても、シスターはそれが嬉しいと思ったか?それともあのブランドのセーターが欲しいのにと思ったか?
選択肢が多いことが必ずしも幸せには通じないのかもしれないなぁ・・・
どころか、もしかしたら人としての感性を退化させることなのかもしれないなぁ・・・
新聞の一枚の写真だけだけど、なんの関係も無い私でも、あの3色の毛糸はどんなセーターになったんだろうか?と思ってしまう。
大量の映像や大量の既製の記念品より、ちいさなちいさなひとひらの布きれから果てしなく広がる心地よい記憶の幸せ・・・
今は、そういう幸せは、シスターほどに節制し修養せねば得られぬということになるんかなぁ・・・
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