東京都渋谷公園通りギャラリーへ。
「日常アップデート」。
会期は6月15日~9月1日。
疫病が一応収束したのもつかの間、様々な天災や人災が次から次へとおこる。
人は様々な事象に遭遇するたびに日常の尊さや儚さを感じ、過去に積まれた記憶が奥深くへと押し込まれ、代わりに新たな体験の記憶がその上に重ねられる。
大なり小なり毎日とはそのような繰り返しなのかもしれません。
と、フライヤーには書かれていた。
この展覧会は、意識しないと見過ごされてしまう光景、聞きなれた言葉、見知らぬ誰かとの共同作業、その日の記録など、繰り返される日々を、6名の作家の作品を通して考える、という。
日常における人と人、人と社会の在り方について考え、日常を新たな視点で捉えなおすことを試みる、という。
参加アーティストは、飯川雄大、関口忠司、土谷紘加、原田郁、宮田篤、ユ・ソラ。
土谷紘加。
アイロンビーズで丹念に綴られる日常の物語。
飯川雄大。
バックをくくりつけたキャリー。
壁のハンドルと赤い紐。
ハンドルを止まるまで回す。
止まったら反対に回す。
いつの間にかハンドルを回すことに必死になって周囲が見えなくなる。
ハンドルを回すと何かが起こるらしいけど、なんにも起きないじゃないか。そういうなんじゃらほいな作品なんか?
とか思ってふと視線をずらせば、赤い紐が動く。
ユ・ソラ。
どこにでもある部屋。
毎日毎日ルーティンワーク。
でもそれは少しずつ綻びていく儚いものなのかもしれない。
と、私はユの作品をみるたびに考えるのだった。
いやもしかして少しずつの再生なのかもしれないとも。
原田郁。
明るい色調の平面作品。
と思いきや、参加型ワークショップ「共感の窓際」で参加者が描いた窓の絵を、原田の仮想世界内ギャラリーにて展示・公開する試み。
そして、各所にアーティストたちの共同作業。
そして宮田篤と関口忠司なのであるけど、ん、もう一度来てみよう。
一度きりではわからない何かがある気がするのだった。