切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

滋賀県大津市 園城寺(三井寺)

2017-05-28 23:37:57 | 撮影
 昼前カメラを持って出発。以前から予定していた、大津市の園城寺へ走る。そんな寺の名前、聞いたことないと言われそうだが通称、三井寺の事。一般にはこちらの方が通用している。
 大昔、行ったことがあるみたい。と言うのも、モノクロ写真が残っていて、とにかく行ったことがあるようだ。但し、自分にはその記憶がない。誰と何のために行ったのか、どうにも思い出せない。

 車で1号線まで出て、浜大津から少し北に上がって全行程約21㎞。1時間かかった。渋滞がなければもうちょっと早いと思うけど、逢坂山を越える1号線は、山間の非常に狭い所で、京阪電車の京津線も走っていて、国道は片側1車線で、どうしても渋滞してしまう。途中コンビニでおにぎりを買って、三井寺の駐車場で昼食。

 炎天下、カメラ2台を持って回る。境内はずいぶん広い。しかも山麓にあって石段を上ったり降りたり、ほんましんどい。
 大津市にあるということで、応仁の乱の影響を受けておらず、昔からの伽藍がほとんど残っており、国宝や重要文化財の建物ばかり。なかなか壮観。画像の建物は、金堂が国宝で、後は一部を除き、大半が重要文化財指定。





 園城寺はもともと、その前身のお寺が飛鳥時代に建てられたらしい。天智天皇の関わりがある。その後、歴史上の有名人物たちが様々な形で関わり、寺も荒廃したり盛り返したり、幾多の隆盛を経て、不死の寺とも言われる。

 仏像などの国宝、重文も多く、その多くは秘仏として滅多に公開されない。公開されている多くの仏像は、すぐ間近で見られたが、鎌倉や平安時代のものも多く、なぜか文化財指定がされてない。寺の人に聞いてみると、文化財の申請をしてないらしい。もし申請すれば、かなり多くのものが重要文化財に多分なるだろうし、それはそれでいいかもしれないけど、そのかわり管理が大変なことになって、多額の経費もかかるということで、申請していないという。
 以前も同じような話を、京都のお寺で聞いたことがある。こう見てくると、多分全国には、そういう事情で、貴重な仏像等が何の文化財指定も受けずに、眠っているものも多いんだと思う。

 国宝の金堂に入ると、この中に本尊の弥勒菩薩像が厨子の中に収められているという。しかし、この弥勒菩薩像はなんと、天智天皇の時代以来、一度も扉が開けられたことがないという。つまり飛鳥時代の頃から千数百年にわたって、誰も見たことがないし、もちろん写真もない。たまたまツアーガイドらしき人が、そのことをツアー客に説明をしていたけども、そういう事情なので、この厨子の中に本当に弥勒菩薩像があるのかどうかさえ、不明だという。大昔からの伝えによって、この中に収められていて、災禍があったときには、扉を開けずに厨子を持ち出して逃げたという。まぁなんともすごい話だと思う。












 境内の一番高いところに出ると、琵琶湖がよく展望できる。晴天もあってか、多くのヨットが見えた。遙か彼方に伊吹山も見える。








 日曜とあって、そこそこ観光客は来ていたが、京都や奈良に比して、賑わいはあまりない。外国人も一人だけ来ていた。修学旅行生は皆無。駐車場も広いし、駅からも近い。素晴らしい文化財を多数有するだけに、何か寂しい。やはり地味過ぎるのだろうか。もっと宣伝しても、と思うが。

 一通り境内を回るのに2時間かかった。またもや足がくたくた。心肺のほうは特にどうって事はないが、足だけはやっぱりしんどい。

 帰宅して改めてネットで調べてみると、なんとまぁ見過ごしてしまった国宝の建物がいくつかあった。なんちゅうこっちゃ。1時間で行けるとはいえども、まぁしばらくは遠慮しとく。ここは紅葉の名所でもあるので、秋に行った時にでも、改めて撮ろうと思う。
 
 三井寺、なかなか見所があってよかった。満足。

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京都市東山区 万寿寺 ~ 残念

2017-05-28 00:20:10 | 撮影
 以前から気になっていた東山区の万寿寺へ行く。東福寺の北側にある京都五山の一つ。
 東福寺駅近くのコインパークに駐めて歩いて行く。前を外国人一家が歩いていて、目的の万寿寺の門の方を眺めていた。彼らが去った後、まず写真を撮る。ちょうど総門を兼ねた鐘楼が、重要文化財に指定されている。
 

 そして門の所に来ると、なんとなんと拝観はしていないという。注意書きがぶら下がっていた。えっ!そんな、と思っていると、自分に続いてやってきた人も、それを見て諦めて行ってしまった。仕方ないので門から見える範囲の方丈らしき建物などを撮っておく。
 

 ちょうどその時、すごい爆音が上空で鳴って見上げると、消防局の救急ヘリコプターだ。大通りを挟んで第一日赤があり、その屋上に着陸するところだった。ヘリコプターというのはものすごい音がするもんだ。


  万寿寺の方は諦めざるを得ず、近くの寺院を回ろうかと思っても、もう既に行っているので、今日はそのまま帰ることにした。
 帰宅後色々調べてみると、非公開ということがネットにも載っていた。

 万寿寺の前身の寺は、平安時代に創建され、鎌倉時代になって今の名前になったようだ。その後いろんな変遷を経ながら、今は東福寺の塔頭の一つとなっている。本尊の阿弥陀如来坐像が重要文化財であり、また金剛力士像も阿形・吽形ともに重要文化財だが、今はここにはなく、東福寺の中に安置され、非公開の状態だという。
(他HPより転用)
(他HPより転用)

 京都五山に数えられる、本来格式高いお寺だったのに、今は何かひっそりとしてしまって、なんというか虚しさみたいなものを感じた。
 境内では住職さんなのかどうか、トレーニングウェア姿のおじいさんが、草木の手入れをしていた。非公開ということで誰も来ないというのは、経営的にどうなんだろう。塔頭寺院として、東福寺がバックにあるのでやっていけてるんだろうか。まーしかし考えてみれば、他の大寺院の塔頭寺院には 非公開のお寺も結構多いのも事実。
ということで今日は残念だった。

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