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本日も以下テキストで学んでいきます。
人間の脳は共感と思いやりが発動するようにできている
動物には別の動物が同じ活動をするのを眺めていると活性化する神経細胞があります。
当然ですが、動物である私たち人間にも備わっており、この細胞を「ミラーニューロン」と呼びます。
このミラーニューロンが他人に対する共感や社会的認知(社会生活を送るための能力)の基盤となっているとする説があります。
人間の脳には他者との関係を前提として機能している部分があるということです。
例えば、自分に近しい人が言いようもない苦痛を受けているのを見ているとします。
すると、自分が苦痛を感じているわけでもないのに同じ脳の部位が活性化するのだそうです。
文字通り「自分のことのように」心を痛めるのです。
これが人の持つ「思いやりの精神」の基盤を成すものということになります。
ちなみに思いやりという意味の「Compassion」はラテン語の「共に苦しむ」という言葉から来ているそうです。
つまり、人間の脳は共感と思いやりでできているということです。
自己認識と共感
自己認識と他人に対する共感にはある共通点があると言います。それが島皮質と呼ばれる脳の部位です。
島皮質には、身体的な感覚からそれを認識する機能があるようです。
実際に島皮質が活発な人は強い自己認識を持ち、また他者への共感能力も高いという科学的根拠があります。
これは脳が自分の自己認識のための能力を共感のためにも使うという仕組みにあるからです。
つまり「同調力」とも言うべきこの共感力は、自己認識力にかかっているというわけです。
マインドフルネスによって自分の意識を自身の身体に向けていくと、島皮質が強化され、自己認識力と共感力の両方を同時に改善できるのです。
この共感力を高めるには、他人であっても「私と全く同じである」と優しさをもって心から接する習慣を持たなければなりません。
心の習慣の作り方
ブッダは心の習慣を生み出すことについて次のように説明されたと言います。
何であれ、しばしば考え、思いを巡らせるものが、その人の心の傾向となる
つまり、私たちは何かを思考し続けると、その思考の通りの人間になるということです。
本著にはありませんが、思い出されるのはマザーテレサの有名な言葉です。
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか人格になるから。
人格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
この言葉からも思考は人格になることがわかりますね。
では、望ましい心の習慣とは一体何でしょうか。
ある考えを心に頻繁に浮かぶように意識することです。
それは、「人に会うたびに、その人の幸せを願う」ということです。
これを繰り返していくと、人と会ったときにはいつも「その人が幸せになりますように」という考えが浮かぶようになるということです。
優しさの心が芽生えると、やがて顔や姿勢、態度にもそれが表れてくるようになります。
すると人から見て、外見だけでなく人柄も魅力的に見えてくるでしょう。
優しさを差し伸べる心の鍛え方
最後に、この「優しさに心」を鍛えるエクササイズをご紹介します。
【準備】
1. リラックスして集中できる姿勢で座り、マインドフルネス瞑想で意識を呼吸に向けます(約2分)。
2. 自分にとって大切な人を思い浮かべる
※ 実際の写真を置いても可
それが家族であれば、寝ている本人を眺めながらでも良さそうです😆
【「私と全く同じ」練習】
次の言葉を唱えます。
※ 本著ではもっと多くのフレーズがありますが一部変更、省略しています。
この人は私と全く同じで、身体と心をもっている。
この人は私と全く同じで、気持ちや情動、考えを持っている。
この人は私と全く同じで、これまでの人生で、悲しかったり、怒ったり、傷ついたりしてきた。
この人は私と全く同じで、痛みと苦しみから開放されたいと願っている。
この人は私と全く同じで、幸せになりたいと願っている。
【「愛情に満ちた優しさ」練習】
続いて次の言葉を唱えます。
※ こちらも本著ではもっと多くのフレーズがありますが一部変更、省略しています。
この人が人生のさまざまな困難を乗り切れるような、強さや資質や支援を得られますように
この人が痛みや苦しみから開放されますように
この人が幸せになりますように
この人は私と全く同じで、人類の一員だから
そして、私の知っている人がみな幸せになりますように
いかがでしょうか。何と愛と優しさに満ちあふれたエクササイズでしょうか!
これが真に心から他人のために思えるような心持ちとなったらどうなるのでしょう。
まさに人格者と言われるような人物になりそうですね。
先日、引き寄せの法則を理論的に説明されているYoutuberの近藤純さんの出版記念講演にうかがったのですが、この本の中にも同じく「人の幸せを願う」ことが書いてあります。
この中では、『アドラー心理学』でも有名となった集合意識(ワンネス)という考えにも触れられています。
要は他者の幸せを願うことは自身の幸せを願うことに通ずるということです。
この本でも道行く人の幸せを願うことで、真に自分の幸せも願えるようになると書かれています。
私も最近は常に道ゆく人の幸せを願い、救急車の音がすれば、誰かは存じませんが快癒を祈るということをしています。
すると、「自分も幸せになって良いのだ」と許可を出せるようになってきます。
これは、サーチインサイドユアセルフとは逆のアプローチにはなりますが、やはり他者と自分は同じということですね。
この本については、後日取り上げてみたいと思います。
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