高知 きたむら動物病院blog

四国高知にて2009年1月に開院いたしました動物病院のブログです。

これから梅雨時期です。

2022-05-08 21:36:06 | 獣医療
GWも終わり、春から初夏になってきてる感があります。これからジメジメした時期に入ります。

ここ2週間ほど、冬場の乾燥した時期には症状は軽かったあるいは無かったワンちゃんの、皮膚病や外耳炎の発生、悪化がわかりやすく出てきています。



犬という生き物は元来高温多湿特に皮膚病や外耳炎に関しては多湿が非常に影響します。

いわゆる布団や床のダニなどもこの時期から一気に活動が活発になり増えます。

犬の皮膚病においては秋まで悩ましい時期が続きます。

痒かったり赤かったりする皮膚病や外耳炎は、治療開始は早いに越したことはなく、飼い主さんのご判断で様子を見て悪化したり慢性化してしまうと、治療の難易度が上がります。

また、高温多湿は熱中症の可能性も上がってくる時期ですので、それらを考慮したワンちゃんと飼い主さんの生活の設計のようなお話をすることも増える時期です。

いずれにしても、なんか気になるなあ、とか、なんか症状ありそうだなあ、とお感じになられたら、お早めの受診をおすすめします。

「こんなことで受診していいのかしら」と考える必要はなく、診察して軽症あるいは治療の必要がないとかであれば喜ばしいことです。

私が最も避けたいのは、飼い主さんの自己判断で様子見あるいは不適切なケアなど、犬や猫の症状が悪化してしまうことであって、病状の判断を含めまずご相談下さい。


高知 きたむら動物病院
犬と猫の一般診療・内科・皮膚科・内分泌・理学療法
高知県高知市北川添24-27 088-880-5123
休診日 水曜日 日曜日 祝日
受付時間 
月・火・木・金・土
9:00-12:00 14:30-17:45
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来週4月2日より、高知県にて夜間診療が開始されます。

2018-03-27 00:15:08 | 獣医療


来月といいますか、来週4月2日より、午後8時から10時30分が受付の、
夜間診療が開始されます。

(当院は、恐縮ですが参加動物病院ではありません。)

以下、その内容を写します。

もしその時間に診療が必要な飼い主さんは、是非熟読して頂き、
受診されるようにしてください。



当番制夜間動物病院に関するご案内

「対象動物」

犬 猫

その他の動物については、当番動物病院にご確認下さい。


「診療時間」 

午後8時から午後11時 (電話受付は10時30分まで)

診療時間内に来院できない場合はキャンセルになります。

(日曜・祝日および年末三が日は休診です。)


「診療の流れ」

1 高知県獣医師会(088-885-7002)にお電話いただき、
当日の当番動物病院を確認してください。

2 完全予約制です。必ず当番病院に電話にてご予約ください。
当番病院の獣医師の指示を受け受診してください。

3 受付時に「診療案内」を御承知して頂き「診療同意書」へ署名、
捺印をして頂きます。現在治療中の疾患がある場合は、検査結果
や薬などを持参し受付時にお申し出下さい。


「注意事項」 

1 夜間診療で、獣医師1名で対応の病院もあり、応急的診療のみ
となります。手術、入院治療および予防などは原則として行いません。

2 セキュリティ上、当番病院であっても、施錠、消灯している
場合もあります。必ず、電話受付の後、指示に従ってください。

3 ワクチン、フィラリアなど予防は行いません。

4 飼い主不明の動物や野生動物の診療はお断りする場合があります。

5 受診動物が扱える方にご来院頂きます。また、未成年者だけでの
ご来院は診療をお引き受けできません。


「お支払い」

1 診察当日、現金一括清算を原則とします。

2 クレジットカード対応病院はカード払いも可能です。電話予約時にご確認ください。

3 診察料金は、各動物病院により差があります。

4 夜間診療につき、通常の診療料金に夜間診察料金が加算されます。
簡易な処置でも、10000円から20000円以上かかる場合がありますので
予めご了承ください。


「当番制夜間診療参加動物病院」

高知市 
松宮動物病院 長崎獣医科医院 高須介良犬猫病院
アミール動物病院 かもはら動物病院

南国市
佐野獣医科病院 南国ひまわり動物病院

香美市
さくら動物病院

※当院は参加病院ではありません。


高知 きたむら動物病院
高知県高知市北川添24-27
088-880-5123
受付時間 
月・火・木  9:00-11:45 15:00-18:45
金     9:00-11:45 17:00-18:45
土      9:00-11:45 14:00-17:45

休診日 水曜日 日曜日 祝日
一般診療・犬と猫のアレルギー・皮膚病外来・内分泌外来


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セカンドオピニオンとは。

2018-01-17 11:00:50 | 獣医療
最近もあったのですが、これまで9年仕事していて、飼い主さんから

(他の病院から)「セカンドオピニオンで来ました。」

と申されたり、

(他の病院へ)「セカンドオピニオンをしたい。」

と申されることがありました。


この、「セカンドオピニオン」という単語。
非常に恐縮なのですが、これまでセカンドオピニオンと申された方で、
正しく理解されている方は一人もいませんでした。


セカンドオピニオンとは何か。

セカンドオピニオンで検索すると、ヒトの病院のページがたくさん
出てきます。

地元高知大学医学部のページを参考にさせて頂きますと、

・現在かかっている医療機関(主治医)の治療に関して、他の医師の
意見を踏まえたうえで治療を受けたいという方に、参考となる情報や意見を提供する。

・セカンドオピニオンでは、原則的に検査治療は行わない。

・主治医の了承を取った上で、それまでの必要な資料を持参しセカンドオピニオンを受ける。

・相談内容は、病状や治療内容に関することである。

・医療事故に関する訴訟、現在受診中の医療機関に対する苦情、治療結果の評価、
診療費用に関する相談、転医、転院の希望などは応じられない。


・紹介状や資料等をご用意いただけない場合
・主治医がセカンドオピニオンを受けることを了承していない場合
・死亡した方を対象とする相談
なども対象外という病院もあります。

ここまでの流れでおわかりになると思いますが、
セカンドオピニオンとは、その患者が今後の治療に関してより
理解を深め、納得して決定するための

「より良い医療を受けるための意見を第3者に聞く」という制度なのです。


一方、獣医療ではどうでしょうか。

開院して丸9年、セカンドオピニオンと申された方ほぼ全て
「自主的に転院されてきた」飼い主さんでした。

治療内容をお聞きし、当院で治療しなくとも主治医の治療で全く
問題ありません、とお話しし戻って頂いたこともありますが、
それも単に来られただけで、主治医にセカンドオピニオンを受けたいと
言ったわけでも、紹介状や検査内容を頂いたわけもない、
単なるお話しに過ぎませんでした。

そもそも、セカンドオピニオンとは、まず現状受けられている治療で
よいのか、他の視点としては何か無いか、他の視点を持ち帰って
主治医とよく相談していただいてより納得と深い理解を得て治療を
受けられるようにするための制度なので、できるだけ落ち着いた状態で、
柔らかな雰囲気で、今後より良い治療のためのご相談をされ、
主治医とともにスムースに継続していただくのが本来の流れです。

そのためには、詳細な把握と、意見表明をする必要がありますし、
単に当院ではこういう治療があるからどうですか、ということでは
無いのです。

獣医療では、人間の医療に比較し、各病院でセカンドオピニオンを
行えるほどの環境整備が構築されているとは言い難く、
そもそも現状で獣医療においてセカンドオピニオンという制度は
ヒトよりも難しいのではないかと私は考えています。

私は日常、自分よりも他の病院のほうが適切と判断した場合は
すぐに紹介状を書きます。それは、その飼い主さんと動物にとって
それがベストであると明確に判断できる場合です。

それも、「より良い獣医療を受けて頂くために転院して頂く」

ということで、セカンドオピニオンでもありません。


セカンドオピニオンとは、本来、患者(飼い主)の治療の選択肢
は他に無いか、無くてもより深い理解をできるようにできないか、
というような主旨のものです。原則は、セカンドオピニオンの後は
主治医と連絡し、また、ご本人も主治医と再度相談されるものです。

当院では、主治医に了解を取られたうえで、必要な資料を持参
していただき、それらを精読し、30分なり60分なりの時間をかけて
私の意見や情報提供したりすることは、日々の仕事の上にさらに
そのような仕事を加えることは困難と判断しておりますので、

「セカンドオピニオン外来」は当院ではできません。


・・・・極端な場合、来院された時点ですでに具合が悪くすぐに
検査治療に取りかからないといけないような状況でも
「セカンドオピニオン」と申されたことがあります。
もちろん、セカンドオピニオンではなく、ひとまず処置となりました。

緊急性がある容態で、セカンドオピニオンも何もありません・・・。


言葉が一人歩きしている例はほかにもいろいろあるのですが、
「セカンドオピニオン」という単語に関しては全く理解されてない
状況が何度もあったので書きました。



高知 きたむら動物病院
高知県高知市北川添24-27
088-880-5123
受付時間 
月・火・木  9:00-11:45 15:00-18:45
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皮膚病や、その他慢性の病気の治療と、飼い主さんの関係性。

2017-08-28 10:51:52 | 獣医療
動物病院の仕事は、我々だけが頑張っても片手落ちで、
飼い主さんとの相互理解と協力体制が絶対的に必要です。
先日、仕事中に、私もスタッフもとても気分が悪くなることがありました。

猫の診察をしていて、その診察は通常通り終わったの
ですが、その診察の最後に・・・・・

犬が写っているスマホの画面を用意して、

「他の病院何件も行ってるけどアトピーや言われて全然治らん。
治せるかどうかわかる?」

とおっしゃられたのですが、診察なしではとても返答など
できませんので、

「診察しないことには一切返答しません。」

と返答しました。

これまでも何度かそういうことはあったんですが、
ほとんどの飼い主さんは、ここで、「まあそうですよね」と言って
引き下がって頂けるか、どうにか犬を診察にお連れできるか
どうかをご検討してくれます。

ところが・・・・

「おまえそんなこともわからんのか!それくらい見たら
わかるだろうが!」

と、激高されました。

一瞬何を言っているのか理解できませんでしたが、
こういう方にはお引き取り願うしかありません。

「診察せずには返答できません。」

と繰り返していたところ、その飼い主は舌打ちして
こちらを睨みつけながら

「もうえい!かまん!」

と言って去って行かれました。

チラッと見えた画面には、確かに重症そうな犬が
写ってはいたのですが・・・・

・経過、重症度の判定?
・皮膚病変の範囲は?
・細菌や真菌の程度は?
・ホルモン異常は無いか?
・これまでの投薬の影響は無いか?
・食事の影響はないか?
・不適切な環境の可能性は無いか?
・これまでの治療を途中で投げ出しては無いか?
・他の病気との鑑別も?
・その他

一瞬チラッと見えただけでも、考えないといけないことは
山ほど出てきます。

そしてまず「治る」の定義から。
何も治療が必要ない「完治」を望まれるのは皮膚病の場合、
病気の種類によっては絵に描いた餅のことも多いからです。

それ以前に重症だと改善するまでに何か月もかかることはよくありますし
維持治療が要ることも多く、費用にしても、当院としても極力抑えるように
努めておりますが、どうしても必要によりそれなりにはかかります。

そういった諸々のことをスマホの画像1枚で説明できるわけ
ありませんし、こういった物を言われる方とは、はっきり言って
相互理解とご協力は無理だと思います。

皮膚病に限らず、心臓病、てんかん、腎臓病、内分泌、糖尿病etc・・・・

慢性の病気と上手く付き合うには、飼い主さんの努力と根気、
なにより理解と愛情が必要です。

そして、病院との相互理解が無いとまずうまくいきません。

最近は当院でもそのようなトラブルはほとんど発生しておりませんが、
治療方針に対してもう少しご理解頂きたい方は、極まれにですがおられます。


ご理解ある飼い主さんと積極的に治療できたワンちゃん。
うまくいっても、無治療だとぶり返して悪化しますので、状態を保つための
維持治療は必要です。

実際は、すべてのワンちゃんがこのように治療がうまくいくわけでは
ありませんが、できるだけ改善できるように努めています。


当院のwebの「皮膚病治療例」のページに、現時点での皮膚病治療に対する
考え方と方針を書きました。

--------------------------------------------------------------

当院では、経過が長く難治性になっている皮膚病のワンちゃんが
多く来院されます。

例えば、アトピー性皮膚炎のような現在の医療・獣医療では
到底完治が望めないような「お付き合いする必要がある」
皮膚病で苦しんでいるワンちゃん、飼い主さんに積極的な
治療をご提案しています。

このページの最後にも書いておりますが、慢性の皮膚病は

「上手にお付き合いする」
「できるだけ良い状態を維持する」

というような治療が不可欠です。

当院の皮膚病治療は、神奈川県藤沢市「皮膚科動物病院」の
米倉督雄先生の治療方針を受け継ぎ、さらに当院独自の
治療方法を加味した当院オリジナルの治療を行っています。

残念ながら、当院でも、すべてのワンちゃん猫さんが100%
治療が成功するわけではありません。
中には治療が難しかったワンちゃん猫さんもおられます。

しかし、何年も治療がうまくいかなかったワンちゃんや猫さんが、
大きく改善することもよくあります。

慢性、難治性となっているワンちゃん猫さんの皮膚病の
治療は本当に難しく、当院もその子その子で毎回頭をひねって
悩みながら治療にあたっています。

難しい状態でも、飼い主さんと相互のコミュニケーションを
取りながら、改善できワンちゃん猫さんが明らかに良くなって
飼い主さんが喜ばれることは、当院にとっても大きな喜びです。

なかなか改善が難しくても、何かできることは無いかを
常に考え、ご理解ある飼い主さんに治療させて頂いています。

当院は、そういった姿勢で皮膚病の治療に取り組んでいる
つもりです。飼い主さんとの長いお付き合いになることも
日常です。インスタントな治療では改善できないことも
往々にしてあります。

皮膚病の治療に限ったことではありませんが、

できるだけ、改善するにはどうしたらいいか?
良い状態を維持するにはどうしたらいいか?

を常に考えるようにしておりますので、飼い主さんにおいても、
当院の治療方針をご理解いただき、受診されるようお願いします。

--------------------------------------------------------------

高知 きたむら動物病院
高知県高知市北川添24-27
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受付時間 
月・火・木  9:00-11:45 15:00-18:45
金     9:00-11:45 17:00-18:45
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重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

2017-07-25 18:00:06 | 獣医療
7月24日 日本経済新聞 電子版

マダニ感染症、猫から感染 女性死亡 「ネコからヒト」初確認

 厚生労働省は24日、野良猫にかまれた50代の女性がマダニが
媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を発症し、
10日後に死亡していたと発表した。かまれたことが原因とみられ、
猫からヒトへの感染事例が明らかになるのは初めて。

 厚労省や国立感染症研究所によると、女性は西日本に在住。
昨年、衰弱した野良猫を動物病院に連れて行こうとして手をかまれた。
数日後にSFTSを発症したという。女性がダニにかまれた形跡はなく、
感染研は野良猫が最初に感染し、女性にうつしたとみている。

 これまでSFTSは森林や草地に生息するマダニに人が直接
かまれることで感染すると考えられていた。

 厚労省は今年に入り、SFTSウイルスに感染し、発症した飼い猫と
飼い犬も確認。感染はまれで、屋内で飼っている猫にはリスクはないと
しているが、屋外にいる体調不良のペットに接触する場合は注意する
よう呼び掛けている。

 SFTSの初期症状は発熱やだるさなど。5~6日後に意識障害や
出血などが起きることがあり、致死率は約20%とされている。特効薬はない。
国内ではこれまで、西日本を中心に266人の患者が報告された。
死亡例は全て50代以上で、高齢者が重症化しやすいと考えられている。
シカやイノシシなどからも、ウイルスに感染していたことを示す抗体がみつかっている。

--- 引用ここまで ---

マダニから感染するSFTSは、これまで山などでマダニに咬まれた
人が発症していることは確認されていましたが、罹患した人から人も
伝染することもわかっていて、今回猫から人も伝染することもわかりました。

犬や猫のペットがマダニに咬まれた場合、SFTSに感染すると人間にも
影響が出る可能性が否定できません。
(完全室内飼いの猫などはマダニに咬まれるリスクは無いと言えますが)

もちろん、可能性としては極めて低いものとは思いますが、もし感染、発症
した場合、ヒトもイヌもネコも「対症療法」しか無く、特効的な治療がないため、
とても悲惨なことになるかもしれません。

国立感染症研究所のSFTSのページより



特に、高知県はSFTSの報告は多いため、これまで以上に、ペットのマダニ
対策はとても大切なものになりますので、マダニ対策をしていないワンちゃん
は、是非行ってあげてください。
STFSに限らず、ノミ、マダニ対策と、ノミ、マダニから伝染する病気の
対策になります。


イヌ 
背中につける1カ月有効タイプ 

3カ月有効なおやつタイプもおすすめです

ネコ 
背中につける1カ月有効タイプ


もちろん、ペットに対するマダニ対策のみならず、お墓参りや
山などに行かれる場合、長袖長ズボンにするなどの直接マダニに
咬まれないようすることは重要
なのは言うまでもありません。



高知 きたむら動物病院
高知県高知市北川添24-27
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