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女性専用車導入は本当に女性のためなのか

前回からの続きです。

女性専用車を導入すれば、やるべきことはやったといえるのか

日経新聞に非常に興味深い記事を発見しました。
NIKKEIプラス1、5/20付16面、特別編集委員 足立則夫氏より引用

ニコラス・スミスさん(31)は大阪大学大学院生命機能研究科で学ぶ
オーストラリア人だ。夕刻、奈良県内でJRの電車に乗ったところ、乗務員に
「女性専用車両なので他の車両に移ってほしい」と言われた。
 移動はしたもののスミスさんは納得できない。表示が分かりにくいのも
さることながら、女性だけを隔離することに強い疑問を感じたからだ。
 スミスさんの気持ちとは裏腹に、女性専用車両を設ける通勤電車が
首都圏や近畿圏で増えている。15日には、首都圏で相互乗り入れしている
JR常磐線、地下鉄千代田線、小田急線でも朝のラッシュ時に導入した。
 歴史は古く、1912年に東京・中央線が「婦人専用列車」を誕生させた。
男女席を同じうせず、の思想が背景にあったが、短期間で廃止。
 47年、同じ中央線が朝夕のラッシュ時に「婦人子供専用車」を登場させた。
殺人的な混雑から女性と子供を守るのが目的だった。73年に「シルバー
シート」を設けたのをきっかけに中止。
 2000年になって京王電鉄京王線、翌年JR埼京線が女性専用車両を
試験的に導入したのを皮切りに首都圏、近畿圏で広がっている。
JR東日本お客様サービス部の担当者、大関信也さんを訪ねた。
-本当の狙いは?
 「痴漢やその冤罪事件の防止が目的です。平日朝のラッシュ時に痴漢が多く発生する路線で導入中です」
-効果のほどは?
 「埼京線では導入時の調査で6割のお客様が賛成。ただ痴漢発生件数は減っていません」

 混雑する電車内で痴漢が発生する。この社会問題を解くためには「混雑の緩和」「痴漢を許さない社会規範の徹底」が本来求められる。
 職場のセクハラ防止のため、男性と女性の席を隔離する-女性専用車両は、これと同じようなことではないのか。



引用した当該の記事(カラーコピーしたもの)

JR東日本の公式見解によれば女性専用車両の導入は何ら痴漢行為の減少に役に立っていない事になります。 前項でJR東日本は導入に積極的でないと書きましたが、その理由に「実は全く役に立っていない」事があるのでしょうか?

編成中で1両・しかも往々にして不便な場所にある「専用車両」に女性の乗客が全員乗るのは不可能です。女性専用車両を増やして男性専用車両も設置し、ゆくゆくは奇数号車は男性専用・偶数号車は女性専用のように完全に分離すれば、異性からの迷惑行為は費用をあまりかけずに減らす事ができるでしょう。
しかし分離を推し進めて、最終的には家族や友人・カップルであっても分かれて乗車しないといけないような状況が果たして本当に良い状況といえるのか。
公共の交通機関としてそういう状態が「めざすべき理想的状態」なのでしょうか?

「冤罪事件の防止」も目的の一つして謳っています。しかし冤罪事件の本当の防止のためには「女性専用車両」の導入ではなく「男性専用車両」の導入のはずです。
なぜ「女性専用車両の導入」が冤罪事件防止になり得るのか。
ゆくゆくは専用車以外の痴漢行為は黙認し「専用車両に乗らない女性客の自己責任」として片付けられてしまうのではないか・・・こういう怖さも感じます。

ネット上のコミュニティ・ブログなどを見ていると「女は専用車にいけ」「女性専用車の隣の車両に乗っている女はおかしい」(乱暴なものになると女や女性ではなく、雌とか雌車と書いている)という男性の意見も散見します。
男性の理解がまだ充分に得られていないと言えるのではないでしょうか?
「そういうのはごく一部の意見だ」「同じ人が何回も書いている」という反論もあるでしょうが、一部といえども良く思っていない人がいる。というのは重要な問題ですし、よく思っていない人の不満のはけ口が、鉄道事業者や係員に向くのはよいですが、えてして非難というのは身近で弱い者が受けるものです。

鉄道施設・構内・列車内、要は自社の縄張り内の安全さえ提供できればそれで鉄道事業者は責任を果たせるでしょう。
しかしそれでよいのでしょうか?


***

前出の東横線の日中時間帯は言うに及ばず、これらの例を見ていくと「迷惑行為対策」といいつつ実は安易な「女性客向けの優遇サービス」として導入している。のではないのでしょうか?

JR・私鉄問わず鉄道会社というのは日本や地域を代表する企業であり公共交通事業者であるが故に他業種の企業より世間の信頼は厚い企業です。
駅ビルに「女性専用パスタ店を出店したJR北海道」も含めて各社には、安易な目先の人気取りの施策に走らずもう少し大人になってもらいたいものです。
****

前回と今回の女性専用車に関する私の考えを記事にしてUPしましたが
これに関連して、以前私のサイト内の「なんでも掲示板」(旧の方)と「画像掲示板」での「女性専用車関連」「鉄道の安全」に関連する内容を参考として、まとめてhtmlページに再度UPしました

こちらからどうぞ

(かなりの分量です。)
当時のログをそのままコピーペーストしたので誤字脱字等の修正もしていません。

コメント一覧

エクスプレスレンジャー
はじめまして。
女性専用車両の最大の問題点は、その位置が最も便利である男性にyとって専用車両になったため不便をかこってしまったことにあります。
また、最近弱冷房車の問題が出て、とにかく女性専用車両は寒いという声が多発していますが、これに対してはほとんど対策をとろうとする鉄道会社の姿勢が見られません。
私は、せめて系統別に2種類ずつ位置を別にする、つまり「弱冷房車が女性専用車両となっている編成」と「弱冷房車以外の車両が女性専用車両となっている編成」とを設けて交互に運転するのが望ましいと思います。本当は全車両1便1両ずつ場所を変えて女性が専用車両に乗る機会も男性がどの位置で乗る機会も平等に与えられるのが望ましいのですが。
また、先頭車両と最後尾車両の女性専用はやめるべきだと思います。
きよぴ
<リンク:http://yaplog.jp/kiyop/archive/305>http://yaplog.jp/kiyop/archive/305</リンク>こちらに
はなちゃんから大阪らいなぁ@山陽5030系さんまでのコメントに対するレスをUPしました。

風林火山さんとInabaさんへのレスは書き途中なのでお待ちください。
Inaba
はじめまして、Inabaと申します。

女性専用車両は鉄道会社が自分の意思で設置しているというよりも、他からの圧力によって推進されている(仕方無しにやっている)と見たほうが近いのではないかという気がします。

下記は専用車両導入推進のウラ側に関しての資料です。やや長文ですがよかったら読んでみてください。
http://vehicles.blog67.fc2.com/blog-entry-1.html#more
風林火山
こんばんは。私は、来年春の法科大学院入学を目指して勉強中の者です。いずれは弁護士になり、人権問題に取り組みたいと思っています。

「男女共同参画」ってよく言われますが、多くの人々はこの意味を勘違いしているように見えます。女性が不利な分野は対等にしろ、女性が有利な既得権益は手放さない‥そんな風潮は男性への「逆差別」となります。例えば、派遣労働では女性しか採用したがらないことが多く、男性に訴えられた派遣会社が示談金を支払った、という事例もあります。

女性専用車両の問題も、その視点で考えたら如何でしょうか。痴漢が許されない犯罪行為である事には一切異論は無いはずです。しかし、痴漢防止に効果が無いのならば、一般車両より格段に空いてる以上は単なる女性優遇にしかなりません。

さらに問題なのは、編成中の女性専用車両だけに女性向けのラッピング広告を付けた列車が走っている事です。これでは、痴漢対策というのは方便で、実は女性客を取り込む営利目的じゃないのか?と疑いたくなります。

このままの状態が続けば、「女性専用車両は憲法違反の男性差別である」「損害賠償を支払え、女性専用車両を廃止せよ」と裁判を起こし、司法の場で決着を図るしかないのかもしれません。
きよぴ
色々とコメントを頂きありがとうございます。
遅くなって申し訳ありませんが、レスの量が多くなりそうなので、新規の記事を立ち上げる形で順次レスをつけていこうと思います。
他にコメントなどがあればつけてください。





大阪らいなぁ@山陽5030系
はじめまして。大阪らいなぁ@山陽5030系と申します。よろしくお願いいたします。

僕も女性占用車(認めていないのでこの書き方にします)に反対です。理由は以下の通りです。

①迷惑行為等の犯罪は許せないが、占用車による男性排除は全男性を痴漢犯罪者予備軍扱いする屈辱的なものであり許すことはできません。

②最近の傾向を見ていますと某政党(某政党の幹部が大臣の国交省も含む)とフェミニスト団体が「痴漢対策」という美名の下行っている女権拡大であります。詳細は「別冊宝島男女平等馬鹿」を御参照ください。「占用車」の導入そのものが目的となっている。

③自分は「占用車」に一度も協力したことはありません。神戸市交通局、大阪市交通局、阪急電鉄、北神急行電鉄で抗議の意味を込めて占用車への抗議乗車を行いました。普段は占用車設定のない電車や路線を利用しています。占用車はあくまで任意協力の要請依頼であって男性の乗車そのものを禁止しておりません。
<色:#0000ff>「専用車両は冤罪事件の防止には役立たない」というご意見はその通りかと思います。一方、男性専用車の設定で犯罪・冤罪が根絶できるかと言うと、これとて異性間のそれしか防ぐことができない点は注意すべきです。
ところで99年に改正された男女雇用機会均等法では禁止されていなかった、男性への性的嫌がらせや採用差別を禁止すべく、来年再改正が行なわれるということで、遅きに失した感もありますがなにか考えるべき点がありそうです。

函館のパスタ店に関してはそこまで問題視しなくてもいいかと個人的には思っています。例えば、「大人のための会員制ジャズバー」と称して50歳以上を入会の上限とすることや、「若者のためのダンスホール」として10代限定で入店できる店が存在することは許されると思うのです。家族連れを○曜日に割り引きとする映画館の存在もそうだと思います。商行為と公共交通機関の違いだと思います。</色>
<色:#0000ff>お久しぶりです。

女性専用車の本格的導入は大阪地区がはじめでしたが、男性障害者や小学生以下の男子の単独利用を禁止していました。神戸市営地下鉄では白い杖を持った視覚障害者の男性が専用車に乗車したところ、駅員から移動を強制される、女性客から追い出しを食らうと言う問題が発生しました。視覚障害者にとって乗車位置の変更を行なうためには改めて訓練が必要だと言うことです。これを受けて数ヵ月後には神戸市交では「変更を検討」したのち視覚障害者、車椅子客の専用車利用を可能にしました。これなどそもそも公共空間における優先順位を何も考えていなかった証です。

一方、後に専用車を導入した阪神は男性障害者、小学生以下単独乗車は禁止です。(少なくとも導入時点では。現状の案内は見つかりませんでした)阪急でも現在単独乗車は禁止です。
輸送障害時の設定解除についても同じように「まず守るべきものは何なのか」と言うことを考えれば説明できないでしょうか。すなわち、「安全・安定輸送」という基本を守れない状況下であれば、それを妨げる要因は取り除かなくてはならないわけです。
長いので一旦切ります。</色>
みさき@風が涼しい場所
特筆すべきは、首都圏では痴漢犯罪発生で上位をほぼ独占するJR東日本社は必要最低限で、女性専用車を設定している事です。これはJR東社の考えであり、内部統制が強い会社ですから従業員も同じ考えとみて良いでしょう。
本来はそのようなものは必要な無いが、他にある「より良い解決方法」の導入困難な場合の緊急避難的に考えているのかもしれません。
今後混雑緩和が進んだ場合、JR東社は専用車の解消を真っ先に実施すると期待しています。
 
きよぴさんのようにしっかりした考えがある事は(私の考えと同じか違うかは置いておいて)良い事だと思います。
 
ヒステリックな反対派や、自分で考えない擁護派、どちらも実にレベルの低い昨今の合戦は見るに値しないですね。

「女性専用車は憲法違反か?」ひとつとっても、擁護派の「京王電鉄が抵触しない」と発表してるので、故に「抵触しない。」という意見のどこにも自分で熟考した形跡が見られません。それどころか原文を読んだのかさえ怪しく、似た事象を調査した形跡もそこにはありません。「京王電鉄が言った」が唯一の拠り所なのでしょう。話になりません。
 
被害者を犯罪者から守る為に。
擁護派も否定派も、「目的」「本質」を見失った意見が多い中、この新聞記事を見るに、時代がひとつステップを登ったのだな、と感じます。
 
●時代が進みようやくその施策が出来る状態が整った
●あの頃はあの頃で最適解であった。発展的解消。
巨大掲示板の「現場を見ない&自分で考えない組の擁護派マニア」の10年後のセリフまで予想しておきましょう、博士。
 
はなちゃん
おひさしぶりの投稿です。

確かに、女性専用車両は若干問題がありますね。

逆に女性専用車両があるにもかかわらず、普通の車両に乗ってくる人のほうが奇異な目で見られたり・・・。

現在の過剰なフェミニズム思想は、男性による女性蔑視の解消というより、女性の権利だけを主張しているだけの独り善がりな思想の気がします。テレビに出てる知識人もそういう人が多いです。

痴漢をする人は好きでやっているのでしょうから,逆に女性専用なんてできると、かえって反抗心故に燃えると思います。

結局は,企業の責任回避のための付け焼刃にすぎないといわざるを得ないと思いますね。
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