<前回から続く>
前回、前々回と来宮神社や熱海梅園など熱海日帰り旅を紹介しましたが、この日(2月18日)のメインイベント、185系踊り子号に乗車です。今回この踊り子号乗車がメインでそれにあわせて熱海日帰りをすることにしたわけです。
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2021年3月のダイヤ改正で踊り子号、ライナー号から引退する185系。改正後も波動用として一部残るようですが、乗るなら今のうち。
185系はライナー号などでよく乗っていますが、踊り子号では殆ど乗ったことがありません
昨年12月下旬に特急踊り子号(3月13日以降の湘南号)が、JR東日本の事前ネット予約の割引、「えきねっとトクだね」(30%・50%割引)の対象になることが発表されました。踊り子号は閑散期も含めて今まで頑なに「トクだね」の対象外でしたが、踊り子号・湘南号の名残乗車&ご祝儀乗車を取りに来たのはビックり??
定価では乗る気がしない185系の踊り子号ですが、「トクだね」で名残乗車をすることにしました。ちなみにトクだねは小田原発着の設定はなし、なので熱海→横浜で乗車することにしました。
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閑散期の30%割引価格で1820円
熱海~横浜は運賃だけで通常1340円なので+480円で特急に乗れる計算です。
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熱海駅の発車案内表示。3色LEDの限界に挑戦したかのような実に凝ったデザインですね。
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特急ながら熱海駅では約5分停車。乗る前に写真が撮れるのはありがたいです。7両編成単独で東京まで行く列車は珍しいような気も??
1号車が下田側(後尾)で1~3・5号車が指定席、4号車がグリーン車、6・7号車が自由席の構成
昔は10+5で後ろ5両は東京~熱海のみの列車があったのが、今は修善寺行以外の5両はないのでやはり最盛期よりは乗客は減っているのでしょうか
さていよいよ乗車します
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この踊り子14号は平日にも運転されている臨時列車。
河津桜祭りや熱海梅園を当て込んで設定されたのでしょうが、折からの新型コロナの影響か1両に10人いない程度。これでも前日昼に予約した時は3席しか埋まっていなかったので思ったよりは乗ってる方ですね
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リニューアルで交換されたので特急車らしい座席。ですが、今の時代コンセントがないのは今一つですね。
ちなみにグリーン車にはライナー号で乗ったことがありますが、腐っても鯛ならぬ185系といえども特急車。2階建てグリーン車のような分かりやすいインパクトはないですが、特急車らしい風格はありましたね。
踊り子号、ライナー号からの引退まであと3週間ほどしかないですが、グリーン車に乗ったことがない人には一度はお勧めしたいです。
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185系の特徴の開閉可能な窓。
換気で窓を開いてたら嫌だなと思っていましたが、さすがに全部閉まっていました。185系の窓は下から上に開くので、窓が開いたり風が当たるのは怖くて嫌なので・・。いずれにしてもこのタイプの側窓も今となっては貴重ですね。
さて熱海駅を発車して次の湯河原駅に停車。ここから早川辺りまでは海沿いの景色がいい区間ですね
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特急列車の旅となれば駅弁・・ではなく、熱海で500円で買った穴子丼で遅い昼食にします。
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熱海駅から20分弱で小田原駅に到着。
隣の小田急はVSEのロマンスカー。VSEと並ぶとこちらの遜色ぶりが目立つような・・せめて未更新EXEがよかった。
茅ケ崎あたりで前の普通列車に追いついたようで、速度を落としてゆっくり目の走行になります。このまま横浜駅までゆっくり目の走り。
この踊り子14号は熱海→横浜は63分。次の熱海16時29分発の定期列車の16号は54分なので9分長く乗れる14号にしました。185系の爆走は遅れてるライナー号とかで結構経験してるので・・😃
この+9分のおかげなライナー号の走行音を轟かせながらの爆走とは違った、静かでゆっくり目の走行が逆に特急列車としての風格を感じます。
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藤沢で再び小田急線と遭遇。あちらも廃車が近いといわれる1000型ワイドドア車。
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大船駅の手前では廃車がはじまった横須賀線のE217系の横を通過
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最後に相鉄線と並走して横浜駅に到着です。
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熱海駅から1時間強で横浜駅に到着。これで名残乗車は終了です。
車両はOM09編成。東北高崎線用として登場し東海道線の車両基地の田町に配置されていたことがない編成。これはこれで珍しいかな??
ということで185系踊り子号の名残乗車でした。
185系は特にデビュー当時の転換クロスシートなど特急車としては遜色ぶりが目立ち遜色特急として語られる存在でもありました。
私も185系は「ライナー号ならいいけど特急料金を払って乗るのは損・・」というイメージが強く特急としては子供の頃に乗ったことがある程度。
185系自体がもともと153・165系などの系譜の「急行型電車」として開発された経緯、普通列車での使用も考慮したことなど当時の国鉄の内情もあるでしょう。
とはいえ、特に遜色・不評ぶりが根強かった座席面で185系をフォローすれば、185系がデビューした1981年当時、新幹線は転換式クロスシートが主体で、最新鋭の200系で簡易リクライニングになったものの3人列は集団離反式シート。在来線特急もリクライニングなしの回転クロスシートや簡易リクライニングだった時代です。そうした中で185系の転換クロスシートは必ずしも「遜色」「格落ち」とは言えなかった時代背景があると思います。
俯瞰してみるとどうしても117系の存在があるわけですが、185系が標準的で117系が特に凄いと考えればですね。
一方でJR化以降に新造車はもちろん、既存の特急車両もフリーストップリクライニングに大きなテーブルを備えた座席に続々更新され座席がグレードアップします。
その中で185系の転換クロスシートは見劣りが出てしまう。185系も95年以降にリニューアルで座席が現在のものに交換されるものの、開閉可能な側窓など遜色ぶりは変わらず。とまぁ一口に言えばデビューした時代が不運だった、ある意味国鉄末期を象徴する車両であったのではないか。
JR東日本の特急車の座席面での失敗として初代成田エクスプレスの253系もありますが、253系の「色々検討して良いと思ってデビューさせたらやっちまった」のとは一線を画していると思います。
185系は急行型電車の進化系といえると思いますが、似たポジションの車両にJR東海373系があると思います。私は特急料金を払って乗るなら(今回の引退のお名残がなければ)185系よりも373系の方がいいと思います。ただこれも185系と373系のデビューした時代の差を考えると当然でしょう。
「私が185系の踊り子号に乗る気がしなかった」というのも、そもそも踊り号自体が東京・横浜から熱海・伊豆への観光列車なのでダイヤも観光に便利な時間の設定。185系が遜色か否かの前に列車として使いづらく利用価値が低かったという面もあります。
185系がまだ新型車だった時代、斜めストライプの塗装など新型車としてインパクトがあったであろう時代を思いながら今回「185系にライナー号ではなく特急列車で乗る」という思い出と再評価が出来たのは良かったです。
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2021/2/27 10:53(JST)