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インプレ | Impression Bridge (記憶を跨ぐ)

2020年1月、ガラ軽(ガラパゴス軽自動車)の保険代が上がる。

軽自動車の事故件数が増えている?

日経を読んでいると、フト目にとまった記事があった。

損保各社、軽自動車保険料3段階に

これまで一律だった軽自動車の「車両料率クラス」を3段階に分けて車種により保険料が変更されるというのもの。「損害保険料率算出機構」が算出したもので年式や安全装置などで差を付けていくというものらしい。事故率の高い車種は10%引き上げ、高度な安全機能を備えた車種は10%引き下げる。

コンパクトカーと言われる普通車よりも速く、安全装備も充実している車種も多いですね。


それにより、差額は10,000円程度の範囲で開きが出るらしい。


そこで、軽自動車は、日本の規格なので世界にライバルはいません。そのスペックを一度おさらいしてみます。


軽自動車規格

全長     3.4m以下
全幅     1.48m以下     
全高     2.0m以下
というサイズの制約の中でつくっています。

排気量     660cc以下
乗車定員  4名以下

最近は、事業用として使うのに工事現場などでもよく見るようになりました。
貨物積載量     350kg以下

と決められているのも納得です。

また、税の優遇もあります。2015年春に軽自動車税が1万800円に引き上げられる前は、7200円でしたので、普通車に比べたら生活費などの負担軽減につながります。


軽自動車税が引き上げられたので、現在までの軽自動車の歴史を振り返ってみます。

そこには、大きく3回のエンジン容量と車体サイズの変更があった歴史があります。


軽自動車が普及し始めるのは、60年代に入ってからだと思います。

当時の軽自動車の規格としては、

全長     3.0m以下
全幅     1.30m以下     
全高     2.0m以下

排気量    360cc以下

年配の人には懐かしい360cc時代、ホンダN360 や、ジウジアーロが手がけたスズキ・フロンテクーペ、ダイハツは 軽自動車最強の40馬力のフェローMAXなど、第一世代の馬力競争車種のラインナップがありました。


もちろん、テントウ虫のスバル360は、今でも若い人でもドラマなどで使われて知っている人も多いはずです。

マツダでもキャロルというRR(リアエンジンリアドライブ)4気筒・4ストロークOHVという当時では、コストをかけた設計の軽自動車を販売していました。

次に排気量拡大が行われたのは、1973年のオイルショックと排ガス規制が要因にあったように思います。コンパクトなエンジンサイズは、排ガス規制にクリアしづらくその代償はパワー不足に隔たります。

そこで、3年後の76年に改訂されます。

全長     3.2m以下 (0.2mUP)
全幅     1.40m以下(0.1mUP)    
全高     2.0m以下

排気量     550cc以下(190ccUP)

この全幅が拡大されたために、家の前の道路を通れなくなり従来のサイズの軽自動車を乗り継ぐ人もいました。この改訂によって、排ガス規制でパワーを奪われた軽自動車が復活してきます。


そして、1998年に、先ほどの660ccスペックになり現在に至ります。この排気量アップは、普通自動車と同じ安全基準を満たすためといわれています。それは2000年10月1日の道交法の改正により、高速道路の速度制限が80km/hから100km/hと普通車と同じ速度に引き上げられます。

※2000年10月1日の道交法の改正により軽自動車も100km/hへ

普通車並の安全性能とはなんでしょう。

エアバッグであったり、衝突安全性能でしょうか。


安全基準を満たすと、次に何か起きるか、歴史が証明しています。

360cc時代のような馬力競争です。先鞭を付けたのがアルトワークスです。

スズキが「アルト」という社名を使うときは、世の中に新しいコンセプトや価値観を与える時に放つと私的には思っています。550cc時代「アルト47万円」という商用ベースに価格破壊をおこなったり、アルトワークスにより高出力モデルを出して来たりと社会に与えるインパクトは相当なものだと思っています。

その時の「アルトワークス」の発売時に規制されたのが、最大出力64psです。660ccとなった軽自動車規格になってさえこの「馬力」を越えないという自主規制?が存在しています。

 

日本の自動車メーカーの特徴は、世界でも有数なチューンナップ技術です。
それも、小さな排気量から絞り出す技術は世界最高でしょう。これを量産車へ作るのも得意分野なんだと思います。

※60年代にスモールクラスでスポーツカーを作る技術はありました。

ここからは、夢物語です。

軽自動車の保険料が三段階に変わるのであれば・・・。高出力モデルは保険料が高くなるというのを容認するならば、この自主規制の64psという馬力を越えて開発できるような突破口になるのではないか・・・してもよいのではないか。


なぜ、こんな事を書くかというと前回のブログでレアメタルの事を書きました。
2010年の資料では、ハイブリッドや電気自動車が普及しても世界の埋設量を試算すると200年ほど持つ予定でした。それが、原油(ガソリン)よりも排ガスがなくクリーンでエコという考えでした。

しかし、世界は中国を中心に電気自動車の完全化を計ります。その状況からあらためて燃料電池に使われる希少金属(レアメタル)は、どの程度持つのでしょうか。携帯電話などで使われるとされた試算の2007年では440年という数字がでていますが、自動車に本格的に使われるとは想定されていないようです。

※引用文
「10億台の自動車がすべてリチウムイオン電池の電気自動車に置き換わるとしたら、 たちまち現在の石油同様、枯渇の不安と背中合わせの”希少資源“となってしまいます。」

(※株式会社島津製作所のWEBページには、時事の科学「リチウムイオン電池 原料の安定供給は実現できるか」と言う記事が掲載されています。)


それなら、まだ無くなると言われ続けた「石油資源」の枯渇までの方が時間があるように感じます

※ヨーロッパでもスモールカーの需要は多い

そこで、このクリーンな軽自動車規格を世界に売り込み従来型のエコ、省燃費で排ガスがクリアなガソリンエンジンで先進技術を輸出するというのはどうだろうか。

東南アジアのバイク需要が車に変わっていくか?

日本では60年代に若者のバイク嗜好から、360ccの軽自動車がトレンドを作った。
その貢献度は大きい。

ここ数年、東南アジアへ旅する事が多いが、朝夕のバイクの数は尋常じゃない。

一例を挙げると、タイもベトナムもカンボジアも道路を占めているのはバイクが多い。朝夕の通勤時間などにぶつかるとバイクの大渋滞が起きている。

このバイクの人が、経済的には日本の「軽自動車」のような規格へ乗り換えがあるなら大きなビジネスになるような気がする。


※ベトナム「フエ」から最近日本でも人気の都市「ダナン」へ向かう帰宅ラッシュはバイクだらけ

と言っても、車とバイクの所有は二極化している場面もよく見かける。


タイは、日本の自動車の生産国なので普通車両も多いが、ベトナム・カンボジアなどで目にするのはレクサスなどの高級車を見かける事が多い。もちろん大衆車は韓国製も普及していて日本とは状況が違う。



※カンボジアプノンペン、高級車が思った以上に走っている

これらの国は、日本に比べて経済力は劣るとされているが、伸び続けていく躍動感があるのは、若い人の人口がやはり多いからだろう。そこでも、中国資本がどんどん浸食するのは懸念する。

日本も世界も自動車は電動化に向かっていますので、ガソリン燃焼技術は終焉しそうです。

それでも、日本の環境と交通インフラを輸出するチャンスのように感じますがいかがでしょう。


※ベトナムのフエ周辺の道で・・・。

生活のため、自転車やバイクに大量の荷物を載せて運ぶ姿をよく見かけます。商用車として軽自動車のような車があれば便利なのかもしれません。



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