児玉時計店 ブログ

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頭丸     3/5

2017-02-09 | 修理
軸受の修正。

こちら2番車のホゾ穴。
トルクのかかる部分なので、矢印の所が楕円に削れてしまっています。
ゼンマイの力がかかると、この削れた方向にホゾが動いてしまうので、
歯先の嚙み合いが適正ではなくなり、トルクの損失につながってしまいます。
経年変化でゼンマイもヘタっていますから、
限られたゼンマイの力を少しでも有効に使うため、軸受となるホゾ穴も修正します。

楕円になった穴を丸く修正し、適切なクリアランスに調整します。


1番車の入る軸受。
最も力のかかる部分なので、ブッシュが取り付けられています。

キズ汚れを取り仕上げます。


同じようにすべての軸受けを修正していきます。

また、1番車には、他の問題が・・・

歯が波打つように変形していました。
以前に分解された時にでも落下させられたのか、
通常使用ではあまり考えられない曲がり方です。

拡大。

別角度から。

この状態で、動いていたとは・・・

修正していきます。

ほぼ水平に戻りました。


つづく。