児玉時計店 ブログ

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磁気

2017-02-16 | 修理
磁気を帯びてしまった歯車たち。
持ち上げると見事にぶら下がってしまうほど、強い磁気が入っていました。

理科の実験で、永久磁石と鉄の釘なんかを使ったりした記憶があると思いますが、
時計の部品も、強い磁気にさらされると、磁化してしまうのです。
特に機械式の場合、精度に悪影響が出てしまいます。

その磁化してしまった時計がこちら、オーバーホールでお預かりいたしました、
“オリス オートマチック”。
ポインターデイトのクラシカルなモデル。

裏ブタはスケルトン。

作業のためケースから取り出します。

ポインターデイトなので、針が4本重なります。
若干曲がりがあるようなので、修正します。

通常のムーブメントでは日板となるディスクをそのまま生かし、

通常曜板の付く個所へ、ポインターデイト針の付くディスクを取り付ける構造。
これにより、外周のディスクと中心のディスクが連動して回ります。

分解時に、すべてのスチールパーツを脱磁処理しました。

組み上がったムーブメントを、ケースに入れて、

裏ブタを閉めます。

プラスチック風防のため、小キズも磨いて綺麗に。

雰囲気の良い金属バンドをもと通りに取り付け、

完成!!