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吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編第一話~その3
珍しいことに兄貴が自らクロフネにやってきた。
いつものごとく店にはハルたちがいたが、帰ってもらうことにした。
要件はわかっているから、応対は最初からトゲトゲしたものになる。
みんなに聞かせるような話でもない。
譲二「何度言われても、俺の返事は変わらないよ」
話はやはり平行線のままだ。
俺は明里が話した、じいさんが倒れて入院中だということを思い出した。そこで、じいさんのことを聞いてみた。
譲二「それよりじいさんの具合はどうなんだ?」
紅一「家から出たものにいう必要はない」
譲二「それとこれとは別だろう?」
俺がさらに問い詰めると、兄貴はじいさんの話はしたくないのか「もう帰る」と言った。
店の外に送りに出た俺に、兄貴はさらにくどくどと言う。
紅一「いつまでこんな儲からない喫茶店をやってるつもりなんだ」
譲二「そんなこと兄貴には関係ないだろ!」
紅一「いや、関係ある。そろそろお前も茶堂院グループの一員として責任ある地位についてもらわないと困るからな」
譲二「だから、俺にはその気は無いんだ。何度言ったらわかるんだ」
紅一「お前が家に帰って来るまで、何度でも言ってやる」
譲二「いい加減にしてくれ!」
紅一「…相変わらず強情だな」
譲二「これ以上話すことは何もない。もう帰ってくれ」
俺は言い捨てると店の中に入った。
兄貴との言い合いで、ささくれだった気持ちを必死で宥めた。
そろそろ百花ちゃんも帰って来る。
こんな気持で彼女を迎えたくはない…。
ドアのチャイムが鳴った。
百花「ただいま」
譲二「おかえり、百花ちゃん」
百花「譲二さん、あの…さっきの…」
百花ちゃんが何かを言いかけた。
譲二「どうしたの?」
百花「い、いえ…なんでもないです」
やばい…。表情はなんとかごまかせてるけど、さっきの気持ちを引きずったままだ。
譲二「今、お客さんもいないし」
譲二「ココア淹れてあげるからカバン置いておいで」
百花「はい」
百花ちゃんのためにココアの準備をしながら、必死で気持ちを切り替えようとした。
しかし、どうしても兄貴のことに意識が戻る。
(兄貴は一体何を考えているんだろう? 今更俺に戻って欲しいなんて…)
☆☆☆☆☆
その翌日。
帰ってきた百花ちゃんは深刻な顔で俺に話しかける。
百花「私、この前帰って来る時にクロフネの前で譲二さんを見たんです」
百花「あの…スーツを着た男の人と一緒にいて…」
スーツを着た男? ああ、兄貴のことか…。
譲二「そっか…見てたんだ」
百花「何か…あったんですか?」
百花ちゃんを心配させちゃいけない。
譲二「…いや、何もないよ」
だけど、百花ちゃんはだまったまま眉をよせている。
俺は百花ちゃんの気をそらそうと、他愛もない話題を話した。
でもなんだか百花ちゃんはうわの空なんだ…。
百花ちゃんの笑顔を取り戻したい。
譲二「今日の夕飯は百花ちゃんの好きなハヤシライスにしたよ」
譲二「一緒に食べよう?」
百花「はい、もちろん」
譲二「よかった。百花ちゃんと一緒に食事するの、楽しいからさ」
百花「私もです。一緒にご飯を食べてくれる人がいるのって嬉しいですよね」
譲二「同じだね、俺たち」
百花「…はい、一緒ですね」
やっと百花ちゃんが微笑んでくれた。
譲二「さ、早く手を洗っておいで」
百花「…はい!」
百花ちゃんの辛い顔は見たくない…。
何があっても彼女だけは守りたい、何があっても…。
俺は下唇をギュッと噛んだ。
その4へつづく