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昨年9月にupした『紅一さんと2人だけの夜』の続編です。
up後に書き始めたのに、途中から話が続かなくなって完成させるのにほぼ10ヶ月かかりました。
なんだか続けられそうな気がするので紅一さんカテゴリーも作った。
昨年の9月ごろは吉恋本家に、紅一さんルートも出来るんじゃないかと期待してたのにね(ノ_-。)
本家で紅一さんルートがあるとしたら、譲二さんとは恋愛関係にならないまま、紅一さんと出会うんだろうなぁ。
でも、わがブログでは、ヒロインはしっかり譲二さんと恋人です^^;)
☆☆☆☆☆
すれ違い~その5
〈譲二〉
あまりにも百花ちゃんが出てくるのが遅いので、ファミレスを出て、施設の玄関に向かった。
譲二「こんにちは…あの」
受付の人は俺のことを覚えていたらしく、にっこり笑った。
受付「こんにちは…佐々木さんは…もう帰ったのではないかな?」
譲二「え?」
受付「ちょっと待っててください。ロッカーを見てきますね」
譲二「すみません」
しばらくして受付の人が帰って来た。
受付「いそうな所は全部探したんだけど、佐々木さんはいなかったわ」
譲二「わざわざすみませんでした。行き違いになったのかもしれません。ありがとうございました」
俺は受付の人に礼を言って施設から出た。
もう一度百花ちゃんに電話する。
やっぱりでない。
こういう時には下手に動き回ると、かえって会えなくなってしまう。
焦る気持ちを必死で宥めた。
俺は『行き違いになったみたいだからクロフネに帰って待ってるね』とメールを打った。
〈百花〉
何とか施設に帰り着いて荷物を取りにロッカールームに向かうと声をかけられた。
???「あれ? 佐々木さん? 帰ったんじゃなかったの?」
振り返ると、いつも事務所で受け付けをしている女性だ。
百花「いえ、急に送迎を頼まれたもので…。事故で渋滞していたのでこんなに遅くなったんです」
受付「あら~……ごめんなさい」
百花「はい?」
受付「私、てっきり佐々木さんは帰っちゃったと思って、佐々木さんの彼氏に『帰りました』って言っちゃったの」
彼氏⁈ 譲二さんのことだ。
何度も謝る彼女に「大丈夫ですから」と告げて、急いでロッカーの携帯を確認した。
やはり譲二さんからのメールと着信が何件も入っていた。
その6へつづく