小説を検索しやすくするためインデックスを作りました
インデックス 茶倉譲二ルート…茶倉譲二の小説の検索用インデックス。
インデックス ハルルートの譲二…ハルくんルートの茶倉譲二の小説の検索のためのインデックス。
手書きイラスト インデックス…自分で描いた乙女ゲームキャラのイラスト記事
他にも順次インデックスを作ってます。インデックスで探してみてね。
サイトマップ
人気ブログランキングへ
インデックス 茶倉譲二ルート…茶倉譲二の小説の検索用インデックス。
インデックス ハルルートの譲二…ハルくんルートの茶倉譲二の小説の検索のためのインデックス。
手書きイラスト インデックス…自分で描いた乙女ゲームキャラのイラスト記事
他にも順次インデックスを作ってます。インデックスで探してみてね。
吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編第五話~その1
〈譲二〉
百花ちゃんとのデートで来た井の頭公園。
そこで、偶然俺の祖父の茶倉緑太郎に出会った。
松葉杖を付いているが、顔色は良く取り立てて身体のどこかが悪いという感じではない。
俺はじいさんに側のベンチに座るように促した。
譲二「じいさん、なんでここに…入院してたんじゃなかったの?」
緑太郎「確かに入院はしておるが…階段で転んで足を折っただけだぞ」
譲二「はぁ!?」
じいさんが倒れたというから、何か病気にでもかかったのかと思っていたが…。
じいさんはさっきも転んで百花ちゃんに助けられたという。
俺は改めて2人を紹介した。
緑太郎「譲二がうちに帰って来たくないと言った時に、大事なお嬢さんを預かっているから、帰れないんだと言っておったが…こんなに可愛らしい女の子だとは」
譲二「お、おい、じいさん!」
緑太郎「まったく、おまえには若すぎるだろう」
じいさんは茶目っ気たっぷりに言う。
緑太郎「わしの相手なんかどうじゃ?」
百花「え!?」
百花ちゃんの戸惑った顔を見て、じいさんは嬉しそうに笑った。
(やれやれ…。ったく…歳を考えてくれよ)
譲二「病院抜け出してきて何やってんだよ」
渋い顔で俺が言っても、じいさんは涼しい顔をしている。
緑太郎「リハビリを兼ねて散歩してたんだ。ちゃんと病院の許可は取ってある」
緑太郎「それに、もうすぐ滝沢が迎えに…」
滝沢「会長!」
緑太郎「ほらな」
俺は滝沢に文句を言った。
譲二「滝沢、じいさんを一人にするな」
ちゃんと監視してないとまた大怪我するぞ。
滝沢「譲二様? どうしてここに…」
緑太郎「偶然会ったんだ。転んだところをそちらのお嬢さんに助けてもらった」
滝沢「お怪我はありませんか?」
緑太郎「ああ。お嬢さんのおかげでな」
滝沢「佐々木様、ありがとうございました」
百花「いえ…怪我がひどくならなくてよかったです」
滝沢「会長、そろそろ病院へお戻りください」
緑太郎「そうか…久しぶりに譲二に会えたのにな」
あからさまにがっかりした様子のじいさんが不憫で、俺は声をかけた。
譲二「そのうち会いに行くから。それより、無理するなよ」
緑太郎「ああ…」
帰り際にじいさんは言った。
緑太郎「紅一が色々言っているようだが、お前が決めたことになら反対せん。お前の好きなようにしろ」
譲二「じいさん…」
緑太郎「百花さん、譲二をよろしく頼みます」
百花「は、はい」
滝沢に付き添われてじいさんは去って行った。
こんなところでじいさんに会うとは驚いたけど…。
そっか…じいさんが入院した原因は骨折だったんだ…。
すぐにでも見舞いに行きたかったけど、兄貴は『家に戻ってこないヤツにそんな権利はない』と、病院も容体も教えてくれなかった。
百花「足は大変だけど、元気そうでしたね」
譲二「うん…」
じいさんは滝沢に車に乗せられて、走り去った。
譲二「心配したほどではなかったけど…でも、実際に会ってみると」
譲二「俺が想像してたよりも元気なかったな」
百花「そうなんですか?」
譲二「じいさん、昔はもっと厳しかったんだ」
『男は大きな志を持て!』なんて言って、よく叱られたな…。
俺が子供の頃のじいさんは、いつも厳しい顔をして、滅多に笑い顔なんか見たことない。
譲二「みんなは、俺と兄貴に期待してるからだって言ってたけど」
譲二「いつからあんな風に笑うようになったんだか…」
俺が知っているじいさんのイメージとは程遠い、柔らかな笑顔を百花ちゃんには見せていた。
まるで、それはじいさんの老いを表しているようで、俺を不安に駆り立てた。
その2へつづく