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吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編第六話~その2
〈譲二〉
三者面談の時間になった。
時間は分かっていたけど、思ったよりお客さんが立て込んで、店を出るのがぎりぎりになってしまった。
慌てて、学校に駆け込む。
廊下には誰も居ない。
窓から覗き込むと百花ちゃんの後ろ姿が見えた。
なんとか間に合ったみたいだ。
ガラッ
譲二「遅くなってすみません」
百花「…マスター!?」
百花ちゃんは驚いて俺の顔を見つめてる。
俺は安心させるように百花ちゃんに微笑むと、担任の先生に挨拶した。
譲二「佐々木さんをお預かりしている茶倉譲二です」
譲二「ご両親の代理で来ました」
担任「そうでしたか。よかったな。佐々木」
百花「は、はい…」
三者面談が始まった。
朝、俺が言ったことで、百花ちゃんは色々と考えたみたいだ。
進路をどうするかという先生の問いに答える。
百花「すみません…そのことで、先生にアドバイスをもらいたいと思って…」
担任「なんだ?」
百花「私は、困ってる人を助けるとか、力になってあげられるような…そういう誰かを支える仕事をしたいなって思ったんです」
担任「なるほどな…」
担任「ただ、支えるといってもな…、どの仕事も結局は人を支える仕事だと言える」
百花「はい…」
そうだよね。
人を支える仕事というだけでは漠然としすぎている。
担任「ところで、佐々木はどうしてそう思ったんだ?」
百花ちゃんはじいさんを助けた時のことを話した。
転びそうになったじいさんを助けて、その時はただ「けがしなくてよかった」って思ったらしい。
でも、そのあと笑顔で『ありがとう』って言ってもらえて、それがとても嬉しかった。
だから、そんな風に人を支えたり助けたりしたいと。
百花「あと…私に救われたって言ってくれる人がいます」
(それって、俺のことだよね)
百花「そういう人達を…大切にしたいと思いました」
担任「そうか…んー…そうだな。だったら、福祉系の大学なんかはどうだろう」
百花「福祉系ですか? 介護士とかの…」
譲二「そういうのもあるし、相談員さんとかね」
担任「確かに佐々木はいつも、誰かの心配をしてるし、まぁ職業というとべつなのかもしれんが…」
担任「福祉関係の仕事をいろいろと調べてみればみえてくるかもしれんな」
担任「何点か資料が職員室にあったと思うから、帰りに寄るように」
百花「はい! ありがとうございます」
担任「ああ、がんばれよ」
百花ちゃん、頑張って自分の気持ちを先生に伝えてよかったね。
いいアドバイスをもらえたじゃないか。
三者面談の後、百花ちゃんに俺の気持ちを伝えた。
福祉関係の仕事は、百花ちゃんに合ってると思うってこと。
百花ちゃんは嬉しそうにほんのり頬を染めた。
その3へつづく