東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

里山の新生蝶

2025年03月12日 | チョウ
ヤマアカガエルの卵塊とトウキョウサンショウウオの卵嚢を観察した後、散策路を歩いていると小型のチョウが横切った。時期的にテングチョウかと思ったが、飛翔姿がタテハチョウ科ではなくチャッチャ飛び。少し先に静止したのを確認したので、そこに近寄ると...いた。

ミヤマセセリ 雄

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
食樹となるクヌギ、コナラが在っても区部のフィールドでは見かけない、春の里山を代表するチョウ。
飛翔時の姿形を良く観察する事で種類の特定にも繋がる。それをいつの間にか習得していた。
セセリチョウ科の飛翔姿を勝手にチャッチャ飛びと表現している。

ミヤマセセリ 雄

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
新緑の上に枯葉が覆い被さる早春の野を背景にしたミヤマセセリ。テングチョウよりも先に見られるとは思わなかった。発生初期なのと陽射しも途切れる条件だった事もあり、近寄っても全く気にせず、とにかく日光浴といった様子だった。この日はヤゴ採りをしていた場所でベニシジミも確認。まだ新生蝶の出現には少し早いかと思っていたが、昆虫シーズンはいつも通りに進んでいると感じた。

3月上旬の里山の田園風景

Nikon D810+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED+C-PLフィルター
またゴールデンウィーク辺りに来ようか...

撮影日:3月9日

2月下旬のチョウ

2025年02月25日 | チョウ
モンシロチョウの幼虫

畑をチェックすると、あれ!モンシロチョウの幼虫がノラボウナ?の葉を食べていた。モンシロチョウはサナギ越冬だったはず。いつから幼虫で越冬できる様になったのか。いや、まだ完全に冬を越せた訳では無さそう。何故なら天気予報では来週に再び早春の寒波が来そうだから。そこをクリアできればきっと...無事を願いたい。

キタキチョウ

昆虫の世界も人間の世界と同じで、良いニュースだけではない。越冬中のキタキチョウをチェックすると残念ながら死んでいた。。。越冬トンボの場合は越冬中でも活動ができる暖かい日に、キノコバエの様な小昆虫を摂食する場面を観ているので、命を繋げられていると感じるが、成虫越冬のチョウの生命線は水分補給以外に思い浮かばない。沿岸部は殆ど雨が降っていないし、霜や放射冷却も少ないので、乾燥が原因と考えられる。冬を乗り越えるための条件に水分が必要だと言う事を改めて理解できた。

クワコの越冬卵


チョウではないけれど、まだ沿岸部で未確認のクワエダシャクの越冬幼虫を懸命に探している時、このツブツブを発見。例年クワコの幼虫と繭を確認していたので、いつか見つけられたらと思っていたところ嬉しい新発見。冬場にこのツブツブを探す楽しみが増えた。

全てNikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

撮影日:2月22日

2月のチョウ

2025年02月12日 | チョウ
越冬中のチョウの再確認と新たな越冬チョウを探してみた。

ウラギンシジミ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
このところ北風が強くその影響で落とされていないか懸念でいたが無事で何より。
この個体は背景にピンクと水色の玉ボケが美しく楽しめるので最高にいい。

キタキチョウ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
向きを変えていたがこちらも健在で何より。同じく成虫越冬組みのムラサキシジミとムラサキツバメは繰り返しチェックしているものの発見できず諦めた。また、蛹で越冬するアオスジアゲハを探してみたくなり食草をチェック。すると...

アオスジアゲハの蛹の殻

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
羽化殻ばかりが見つかるパターンで、なかなか越冬中の蛹が見つからない。以前に掲載したベンチの背もたれと、鳥のオブジェに着いていた蛹は教えて頂いた個体なので、やはり自力で見つけたいところ。そう言えば以前に建造物で蛹化していた事を思い出したので、その建造物をチェックした。すると...

アオスジアゲハの蛹

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
柱の天井部分の軒下に発見。この蛹を観て感じたのは体を固定する為に凄い量の糸を使う事が判明。
寄生されていない事を願い引き続き経過観察を楽しみたい。

アカボゴマダラの終齢幼虫

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
以前と向きをかえていたが、このままここで春を待とうと言う魂胆らしい。東京は寒さのピークを超えた感じなので、この個体は成虫まで行けそうな気がするけれど果たして...

チョウから越冬トンボ目線に切り替えて探している最中、ブッシュを捜索中に何かが飛んだ!
止まった辺りを隈なくチェックすると、それは...

ウラナミシジミ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
羽化不全のような姿だけれど紛れもなく2月のウラナミシジミ。ただ、風は冷たいけれど陽射しは強く陽だまりは暖かく感じる...一概には言えないけどやはり温暖化の影響なのか、だいぶ南方種が優勢になってきている様に感じている。恐るべし南方種の生命力。

撮影日:2月8日

真冬の終齢幼虫

2025年01月27日 | チョウ
この土曜日は真冬らしい寒さと曇り空のフィールドコンディションの中、そろそろ沿岸部でもウスバ、シロオビ等のフユシャクを観察できるシーズンだと思い、林縁と歩道の境界に続く擬木柵をチェック。しかし、フユシャクどころか何もいなくてガッカリ...

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
そんな最中、ふと、道端に出ていたエノキの実生に目を向けると、この時期には似合わないグリーンの終齢幼虫が枝先にひょっこり!

アカボシゴマダラの終齢幼虫

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
12月に経過観察をしていた終齢幼虫は全て見失ってしまったけれど、新たに発見できて何より。
ワイルド個体は終齢で冬を越せないとされているが、挑戦しているところが素晴らしいく生命力の強さを感じる。根元に降りず新芽が出るまでここに居る気なのか、周辺に植物が無い場所なので目立つ事から、野鳥の餌食になりそうな気もするけれど運次第で頑張れるのか?引き続き経過観察を楽しみたい。

撮影日:1月25日

越冬中のキタキチョウ

2025年01月15日 | チョウ
12月に太陽の光芒を背景に入れて撮影をした越冬中のキタキチョウ。その後の越冬状況をと探していたが見つからず、半分諦めていたが、冬はとことん探せでしょ!そう自分に言い聞かせ再び捜索する事により、みっけ!冬の昆虫調査隊にご参加いただいた皆様にもご紹介でき何より。

越冬中のキタキチョウ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
以前よりも奥に入り込みアズマネザサの葉の間から何となく見えたので発見できた。曇り空だから明暗差が抑えられ、越冬らしい雰囲気で撮れた渾身の一枚。こちらも越冬トンボと同じく、叶うのなら雪景色の中で撮りたい思い。ただ、この先の天気予報を見る限り、東京はず〜〜っと晴れ...

撮影日:1月12日