東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

ホソミイトトンボと青空

2025年02月17日 | トンボ
ホソミイトトンボの越冬環境の一例

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
引き続きホソミイトトンボの観察を楽しんでいる最中にあるが、
ここに来て今まで日影に越冬していた個体も含めて移動が目立つようになってきている。

ホソミイトトンボ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
しゃがみ込んで地面から伸びるエノキの実生を片っ端からチェックして行くと、ここにもあそこにも、
面白いほど次々と見つかり、そっと近寄っては青空バックでシャッターを切った。

ホソミイトトンボ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
何故エノキの実生なのかを考察すると、つる植物や葉よりも強風の影響を受けにくく静止しやすい場所を選択している様子に伺える。

ホソミイトトンボ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
何故かメスばかりが見つかる。

ホソミイトトンボ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
この個体は一時的に陽射しが入る場所で以前から越冬中。エノキの実生ではなくクヌギの胴吹き。
体と似たような太さで縦の枝も越冬場所としてのキーワードかも知れない。

ホソミイトトンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
15日の土曜日は最高気温が14℃。薄い水色に変色した個体が見られた。

ホソミイトトンボ 2雄

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
上は薄い水色に変色した個体で下はまだ越冬色の個体。
同じ場所で越冬していても体色変化のタイミングには個体差があると言うところが面白い。

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
北風の影響をモロに受けやすい環境だけれど、相変わらずススキの一部に成り切っていた。
今週末は再び真冬の寒さに逆戻りらしい。どんな様子なのか再びチェックを楽しみたい。

撮影日:2月11日、15日

冬雨の越冬トンボ

2025年02月04日 | トンボ
東京は土曜日の深夜から日曜日の午前中にかけて降雪予報が出ていたので、日曜日は雪景色のフィールドで越冬トンボの撮影が叶う事に期待していた。しかし、その期待も虚しく冷たい雨に...

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
結構いい降りっぷり...

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
以前から変わらずここ。雨の影響により雫が体に付着し、何時もよ垂れ下がる状態でいた。
雨粒が構図内に入り易い様に、何時もより離れたワーキングディスタンスで撮影してみたけれど、
雨粒が少し写ってくれたので何となく雨の日の雰囲気を出せたと思う。

ホソミイトトンボ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
エノキの実生にいた2メスは残念ながら移動してしまったようでその他の個体は前回のまま。

ホソミイトトンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
越冬トンボだから真冬の冷たい雨でも問題なし。ただ、ホソミイトトンボは南方種だから零下になる地方でも過ごせるのか気になるところ。東京の冬なら大した寒さじゃないから、なんのそのでしょう...

撮影日:2月2日

2月上旬のホソミオツネントンボ

2025年02月03日 | トンボ
前回の観察から1ヶ月が経過したので、変化を見にホソミオツネントンボの越冬地へ訪れた。
今回は越冬風景をぜひ観たいと、リクエストいただいていたSさんをご案内。
レクチャーを受けても初めてのフィールドで発見できる可能性はかなり低い。結果はいかに...
先ずは1ヶ月前に見つけた個体をチェックして行く。すると...

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
手前にオス

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
奥にメス。1ヶ月前に発見した個体は同じ場所で変化なしの様子。

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
新たに見つけたメス。私は枝ですと言っているようだった。

すると、Sさんの方からスマホの撮影音が聞こえ、いましたとの事!
え、マジで、オス?メス?を伺うとメスとの回答。凄い優秀だ。どれどれ...

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
お~ツル植物に擬態した素晴らしい姿。絶対に初めてでは見つけられないと思っていたけれどお見事!日頃からフィールドで生物観察を行う事が好きな人の眼は違う。と言う事もあるが、寒く広大でゴチャゴチャしたフィールドなのに楽しそうに探していて、越冬場所のイメージと集中力と言うその姿勢が発見に繋がったのだと思う。

ホソミオツネントンボを撮影するSさん

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
この日の成果は2オス10メスの発見に成功。毎回、何故かメスの割合が高い。
クワの木も点在しているので、クワエダシャクの越冬幼虫も探して見ると、みっけ!

クワエダシャクの越冬幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
え!コレ幼虫なの?と思ってしまうほどクワの小枝に擬態した姿が非常に素晴らしい。ただ、クワエダシャクの越冬幼虫はクワを片っ端から探せば見つかるけれど、ホソミオツネントンボの越冬は樹木や植物に決まりが無いないので難易度は高い。まだ捜索していないエリアがあるので、次回は10オスを目標に楽しんでみよう。初挑戦で見事に発見されたSさん、楽しんで頂けたようで何より。また行きましょう。2月に入ったからそろそろヤマアカガエルのシーズン...あ、そうだフッチーも。

撮影日:2月1日

1月下旬のホソミイトトンボ

2025年01月28日 | トンボ
気温が低く尚且つ曇り空はホソミイトトンボを探すのに絶好のコンディション。
すると... 

ツル植物のカーテン

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
いかにも隠れていそうな怪しい雰囲気がある、この様なポイントは必ずチェックしているものの、
ここまでゴチャッゴチャッしているポイントは好まないのか?今のところ例を見ない。

ホソミイトトンボ 雌(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
以前から変わらずトウネズミモチの垂れ枝で越冬中。やはり日影で越冬中の個体は移動せずそのまま。
この個体以外は前回の場所から移動していたので、また一から捜索を楽しんだ。すると...

ホソミイトトンボ 雄(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
意外と普通に止まっている様子の個体もあり。

ホソミイトトンボ 雌(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
垂直系の枝にひょっこり。
以前にも記載したけれどホソミイトトンボのオスメスの見分け方は、
腹部先端上面の第9節と10節に黒色斑、有りがメスで無しがオス。
※PCから閲覧されている方は画像を2回クリックで拡大確認できます。

ホソミイトトンボ 雄(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
エノキの実生で。

ホソミイトトンボ 2雌(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
草地の地面から伸びる細いエノキの実生も越冬箇所としているので見逃せない。

ホソミイトトンボ 雄(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
つる植物、垂直の枝、かと思えば枯葉にぶら下がっているパターンも。今までの知見をまとめるとホソミイトトンボの越冬場所には体型と見合った太さの植物と言う以外に、決まりがなく感じる。
この日は4オス4メスの発見に成功。個人的にはコントラストが低い曇り空の方が発見しやすい。

ホソミオツネントンボ 雄(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
こちらは発見当時から変わらずなのが素晴らしい。今回は逆側から撮影。
そろそろ雨や積雪等、雰囲気が違う日に観察したいけれど、この先の天気はどうだろうか...

撮影日:1月25日

1月中旬のホソミイトとホソミオツネン

2025年01月20日 | トンボ
先週の水曜日が暖かかったので、ホソミイトトンボが移動していると思い、この土曜日も沿岸部の越冬トンボチェック。すると案の定、以前の場所には皆無。また一から再捜索。すると...

ホソミイトトンボ 雄(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
上から下がる枝にべったり寄り添っているのを発見。広角映えする場所にいた個体のみを撮影。

ホソミイトトンボ 雌(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
日影で越冬中の個体は変化なし。自分の知見ではホソミイトトンボの場合、気温が10℃を上回ると、朝から陽当たりが良い場所で越冬している個体は移動する。越冬と言うと、その場でじっと動かないイメージだけれど、成虫や幼虫で越冬している昆虫は、ある程度、気温が上昇すると移動する事がある。沿岸部のフィールドで成虫越冬するウラギンシジミ、キタキチョウ、ホソミオツネントンボと比較すると越冬期でもホソミイトトンボが最も活動的な特徴を持つ事が判明。

ホソミオツネントンボ 雄(未成熟)

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
毎回同じだと面白味が無いので今回はDX40mmマクロで撮影。13日の午後にチェックした時は、この場所から離れて横の樹木に静止していたのを確認したので、移動してしまったかと思い、恐る恐るこの週末に再確認すると!よっぽどここがお気に入りらしく再び同じ場所に戻っていた事に驚愕した。
暖かい日になると居場所を変えるホソミイトトンボとはまた違った面白い習性を見せてくれた。

撮影日:1月18日