東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

歳末のバッタ

2024年12月26日 | バッタ
土曜日の南風から一変して冬らしい冷たい北風が吹きつけた日曜日。
今のところ珍しく刈られずにある冬の草地らしい景色がグッドな場所。

Nikon D810+SIGMA15mm F2.8EX DG DIAGONAL FISHEYE
バッタの最大の天敵は草刈り。刈られてなければ草中に潜り込んで寒さをしのげるから健在だ。

オンブバッタの幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
少し減った感じがあるけれど年越しイケるでしょ。

ホシササキリ 雌(終齢幼虫)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
午後の陽射しを浴びて北風になびく長い触角が美しく映える。観察、撮影を済ませて、ふと目を向けた先に、冬なのに虫網を持った親子が見られたので声をかけると、自分が主催のイベントに毎回ご参加くださる方だった。この時期に虫捕り!?話を伺うと、ベランダに置いたカマキリの卵鞘が孵化してしまったのでエサを取りに来られたらしい。冬なのにエサにちょうどいい大きさのオンブバッタの幼虫が取れたのでよかったとの事。そうそう、先日、フィールドで見つけたオオカマキリの卵鞘も孵化していたから、陽当たりが良いベランダだったら尚更かも知れない。カマキリもここのバッタも時期外れに発生してしまうと言う事は、温暖化の影響が無きにしも非ず。

撮影日:12月22日

師走のバッタ

2024年12月11日 | バッタ
陽当たりが良いチガヤの群落に足を踏み入れると多数のバッタが飛び出してくれた。

ホシササキリ 雌(幼虫


ホシササキリ 雌(褐色型成虫)

発生は夏、秋の年二化。多摩川の河川敷では年越し個体の記録あり。オンブバッタ、ショウリョウバッタに並び管理が行き届いた公園でも見られる事もあり意外と順応性に優れている。ただ、草刈りされてしまうと一時的に居なくなってしまうので、本種を含めて公園に棲むバッタの生命は管理側の都合にかかっている場合が多く、発生ムラがある。ここも例年なら刈られている時期なのにまだセーフだった。

オンブバッタ 雄

チガヤの葉色に擬態した体色が素晴らしい。

オンブバッタの幼虫

通常なら生き残りの成虫がまだ若干見られるかと言った時期。でも、ここは何故か幼虫が発生していて、若齢から成虫の同時観察が叶ってしまう不思議なエリアとなっている。この先、刈られていない事を願いつつ、引き続き寒オンブの観察も楽しみたい。

全てNikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

撮影日:12月8日

石になりきるバッタ

2024年10月17日 | バッタ
ミヤマアカネの産卵場所の新規開拓を楽しむ最中、良さげな小川を発見。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
解放的で撮影条件が良さそうに思いミヤマアカネの飛来を待ってみた。しかし、何かが違うらしく一向に飛来せず。比較的、産卵は草深い小川を好む習性を持つので、あまりにも解放的だと返って目立ってしまい、セキレイ等の野鳥に捕食されてしまうリスクが高くなる事を避けているのかも知れない。ここでのミヤマアカネの産卵撮影は諦めて、丸石河原と言えば石に擬態するバッタを探してみようと思い捜索。すると...

カワラバッタ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
バッタの形をした石!この素晴らしいカモフラージュに感心しながらカメラを向けた。
石の上に静止した時がしっかりと姿を撮らえる事が出来る最大のチャンス。

真上から撮影した画像

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
どこだろう?分かりやすい撮り方だった。。。

カワラバッタ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
最低でもマクロレンズで寄りたく、追いかけて回して疲れさせる作戦を試みた結果、成功。ただ、言うまでもなく自分も疲れた。同場所で6頭ほど飛び出した。その様子から観ると、集団で活動する習性を持つようだ。丸石河原は本流に近い場所に位置する為、台風や大雨による増水、氾濫の影響を受けやすい為、転々と居場所が変わってしまう。カワラバッタに会うには丸石河原を探すところから楽しもう。

撮影日:10月14日

秋の気配

2024年09月05日 | バッタ
この週末はまだ夏の暑さが残るコンディションだったが、徐々に秋の虫の姿が増えて来た事を実感。

ツクツクボウシ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+LEDライト
セミの音は夏の終わりの風物詩でもあるツクツクボウシが主役。薄暗く風通しの良い林で合唱を聞かせていた。セミの中でも独特のサウンドを楽しませてくれるけど、撮影となると居場所が暗いので撮りずらいイメージ。飛ばれても直ぐ近くに止まるパターンが多いので、一度飛ばしてもう少し明るい場所にお願いしたが、今回はサヨウナラ...先日、職場の仲間とセミの話題になった時、以前は通勤時に、庭先、学校、街路樹でも多くのアブラゼミの音を聞いていたけれど、ここ数年でアブラゼミよりもクマゼミが多いと言っていた。これは自分も同感。住宅地のセミ事情に何が起きている気がする。

田んぼの風景

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
刈られてしまうのは時間の問題な気がするけれど田んぼの周辺はちょうどよい感じの茂り具合だった。
稲穂に止まるオカラトンボのオスを広角レンズで頑張ってみたけれど、まず近寄れない。接写でトンボの生態撮影を楽しんでいる人ならその難しさが分かるはず。再び秋晴れの日に頑張りたい。

チョウセンカマキリ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
カマキリの生活は天地有用。逆さ向きでも問題なし。実りの秋の様子を背景に、田んぼの角に一本だけ紛れて生えていたヨシで発見。外見で見分けるのは難しいがオスメス共にオオカマキリよりもスリム。また、チョウセンカマキリは局所性で特に田んぼや池等の水辺周辺の草地で観る機会が多い。

チョウセンカマキリ 雌(褐色型)


Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
本当にチョウセンカマキリなのか?確かめたくなったので、ちょっとだけツンツンしてカマの付け根を確認。オレンジ色なので正解。

ハラビロカマキリ 雌(褐色型幼虫)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
イヌキクイモの花に来る獲物を待ち伏せする様子。いつ来るか分からない、来ないかも知れない獲物を待つのが自然の中のカマキリの姿。シーズン中、捕食シーンに出会えるか、期待したい。

ハラビロカマキリ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+LEDライト
エノキでゴマダラチョウとアカボシゴマダラの幼虫を探していた最中に発見。
花では無い場所だけれど何の獲物を待ち伏せしているのだろうか。

ツチイナゴ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
今シーズンは例年よりもかなり多い様子なので越冬中の個体の発見に期待できそう。

ヒメクダマキモドキ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
秋のアカメガシワと言えばこのヒメクダマキモドキ。沿岸部ではサトクダマキモドキよりも観察する機会が増えている。

アオマツムシ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
今シーズンは8月上旬に音を聞いて驚かされた。沿岸部のフィールドではカネタタキやコオロギの音も徐々に増え、草地や林縁では秋に鳴く虫やカマキリの観察が楽しめるシーズンに入った様子。

撮影日:9月1日

8月下旬の生態園で

2024年08月27日 | バッタ
JR貨物線と空の様子

今回は残念ながら機関車通過のタイミングに合わせられなかった。徐々に西から雲が迫って来たので、そろそろ雷雨かと思っていたけれど、曇り空は一時的で厳しい暑さが継続。前記事は東園のトンボだったので、今回は生態園の昆虫を掲載。

コミスジ

内陸では普通種。でも沿岸部での観察は稀。
解放的な場所より、うっそうと茂った林縁をより好んでいる様子にある。

アカボシゴマダラのサナギ

園内の其処彼処にエノキの実生が見られるけれど、暑さ、乾燥を避けいるのか、
比較的、陽当たりが悪い場所のエノキでよく見つかる。3化目かな。

ツチイナゴ(幼虫)

複眼の下にはツチイナゴの特徴、ブルーの模様があり、いつも泣いている様に見えて面白い。

ショウリョウバッタモドキ 雄

昨年と同場所での発見。無事に世代交代をしている様子で何より。
イネ科に依存しているので草刈りの影響を受けやすく、毎年見られるかどうかが懸念される。

ハラビロカマキリ(幼虫)

イヌキクイモで獲物を待ち伏せする様子。そろそろカマキリシーズンなんだけれど、殆ど見つからないところを見ると、まだ暑くて外面には出たくないと予想。熱中症を懸念してそろそろ終了予定でいると、ここでは見慣れないバッタが足元から飛び出した!

トノサマバッタ

10年以上通っていて生態園でトノサマバッタの記録は初めて。体色が薄いのは成虫になってまだ日が浅い証。近くにオスも発見した。トノサマバッタが好む環境は周りに高い樹木が無い広大な草原。河川敷が最良の生息地。生態園の環境とはアンマッチなので放虫の可能性が非常に高い。学習センター前を背景にしたトノサマバッタの良い写真が撮れたけれど、結果オーライでは無く何とも複雑な気持ちだ。

全てNikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

撮影日:8月24日