東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

時期外れのカマキリ

2024年12月30日 | カマキリ
1月予定の小学生親子を対象とした冬の昆虫調査隊のイベントの下見を兼ねて虫探し。

チョウセンカマキリの卵鞘

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+12"リフレクター
オオカマキリ、ハラビロカマキリ、コカマキリと共に代表種。ただ、上記三種より比較的、局所性で陽当たりが良い水辺周辺のイネ科が繁茂する場所を好んでいるように感じる。沿岸部のマイフィールドでは環境面が悪化している様子には無いものの何故か減少傾向。

オオカマキリの卵鞘

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
冬枯れのヨシをじっくりとチェックして発見。東京のカマキリは卵で冬を越す。

でもコナラの幹をチェックしていると、この時期に居てはいけない子が日光浴の最中!

それは...

ハラビロカマキリの幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
体色が似ていてカマが良く見えなかったので、沿岸部では未記録のヒゲナガサシガメの幼虫かと思ったけれど、良く観るとハラビロじゃん。先日のオオカマキリと同じく時期外れの孵化。

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
ツンツンしてハラビロカマキリらしく腹部を反りカマが見える姿になってもらった。
果たしてこの幼虫は生き延びる事ができるだろうか。エサがないし気温も低いから多分無理だろうな...

撮影日:12月28日

歳末のハラビロカマキリ

2024年12月25日 | カマキリ
季節外れの南風と晴天により気温上昇の午後。水辺でアキアカネを観察した後、林縁を見て回ると、お!いるじゃんハラビロ。

ハラビロカマキリ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
周辺の環境色に近い擬態感が素晴らしい。ただ、最盛の頃よりも色褪せて反射が強い。
陽当たりが良い林縁に入り浸り、残りの余生はとことん日光浴と言った様子にある。

ハラビロカマキリ

Nikon D810+SIGMA15mm F2.8EX DG DIAGONAL FISHEYE+12"リフレクター
こちらは公園の柱で日光浴の最中。腹部が大きい事からまだ産卵前。気温が低いので産卵には厳しい状況だけれど、無事に産卵できる事を願いたい。冬場は太陽の位置が低いので昆虫の居場所によっては、背景に太陽(光芒)を入れた撮影が楽しい季節でもある。ストロボを使用せずにレフ板で被写体を明るく起こしてみた。ストロボ光よりもレフ版の反射光の方が光質が柔らかいのでより自然に見える。

撮影日:12月21日

師走のカマキリ

2024年12月09日 | カマキリ
そろそろ越冬昆虫探しが主体になりつつある中、まだカマキリの成虫が素晴らしい姿を見せてくれた。

オオカマキリ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
イェーイ、行くぜ!と言っているかのような、両カマを上げて最高のポーズを披露。

チョウセンカマキリ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
カマキリ探しの親子が来園されていたので、この時期の探し方をアドバイス。師走にもなると成虫より卵鞘の方が目立ち、そろそろ成虫のシーズンは終盤に向かい数も少なくなるので見つけるのが難しい。カマキリがエサ場としていたセイタカアワダチソウ等の花が無くなってしまった時期の捜索ポイントは、目線よりも下。陽当たりが良い地面付近の草むらを探すと発見に繋がる。

オオカマキリ 雌(オンブバッタを捕食)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
その陽当たりが良い地面付近の草むらにはエサとなるオンブバッタやコオロギが師走でも生息しているので、それらを狙っていると言う訳。時期によって居場所の違いを知るのもまた楽しい。実際に草はらでオンブバッタ等を撮影している時に捕食している場面に遭遇した。いつ見てもオオカマキリの捕食シーンはダイナミックでカッコイイ。

しかし、こんなシーンも目撃!

オオカマキリの孵化

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+LEDライト
越冬中のウラギンシジミの捜索時に発見。孵化の時期は5月中旬頃のはずなのにもう孵化していた。
だいぶ冬らしい寒さになって来たと思ったのにコレだ。卵鞘がついていた場所の条件で考えると、北風の影響を受けやすくも日中は朝から午後まで陽当たりが良い場所なので、孵化の適温まで達してしまったのかもしれない。時期はずれに孵化してしまった幼虫たちの運命は、残念ながらエサが無く寒さにも耐えられないので冬は越せない。。。

撮影日:12月7日、8日

オオカマキリの産卵

2024年12月03日 | カマキリ
ハラビロカマキリ 雌

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
日光浴中のカマキリを探していると産卵しそうなオオカマキリを発見、密着した。

オオカマキリの産卵

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
産卵開始から終了まで約2時間の観察。オオカマキリの産卵最盛期は10月中で今回の産卵はオオカマキリとしては最も遅い時期の記録となった。脱皮や産卵は天敵に見つかりにくい夜間に行うことが多いけれど、11月まで産卵を延期した個体の場合、夕方から気温が低下する日が多くなるので、夜間には産卵が出来ず、暖かい日中に行う事がある。種類毎に卵鞘の形が違うけれど、それが遺伝子に組み込まれていて、間違わずに形成するところが素晴らしい。因みに産卵中は産卵に集中しているので、ウソのように警戒心が無く、少し触ったくらいでは産卵を止めない。まあ、触る必要は無いけどね...

撮影日:11月30日

初冬のカマキリ

2024年11月26日 | カマキリ
ハラビロカマキリの卵鞘


オオカマキリの卵鞘

成虫より卵鞘の方が目立って来ているけれど陽だまりでは成虫が日光浴に出ている姿を見せてくれた。

チョウセンカマキリ 雌(褐色型)

ここのウッドデッキはカマキリが日光浴の場として利用している事も少なくない。

コカマキリ 雌

このコカマキリはデッキの何処かに産卵に来たのかもしれない。
畑で作業中のSさんが背景にいてくれた。いつもご苦労様です。

ハラビロカマキリ 雌

いつものコナラの幹で日光浴。暖かい陽射しが頼りのシーズン。
キタキチョウの飛翔が無かったほどの気温だったのに茶の花にモンシロチョウが吸蜜に飛来した。

モンシロチョウ

モンシロチョウって11月下旬まで見られたっけ?
今は幼虫かサナギのはずだけれど17日の夏日のせいで羽化してしまったのかも知れない。

全てNikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

撮影日:11月23日