東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

東京最南に棲むヒグラシ

2024年08月15日 | セミ
久しぶりにウチのお嬢さんが参加してヒグラシの観察に訪れた。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
午前中、子供たちが虫採りに来ていた様子にあり、網が届く位置にセミが少なかった...
そんな最中、娘がアキアカネを捕まえたと言うので確認すると、それは...

ナツアカネ 雄(未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
ヒグラシと同様に区部ではレア。生息環境からあまり離れないタイプだけれど、周辺にナツアカネのヤゴが棲めるような田んぼや湿地などの水辺は無い。はたして何処で発生した個体なのか、謎めく。
本命のヒグラシを捜索。すると...

ヒグラシ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D+SB-700
ヒグラシは樹間が狭く薄暗い場所を好む習性を持つ。かなり敏感な個体で直ぐ逃げられてしまった...

ヒグラシ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+SB-700
メスはツクツクボウシと同じく腹部先端に向かって細い。ヒグラシを改めて見ると物凄く綺麗だった。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

黄昏時に音を聴きに訪れると、他にも聴きに来られた方とお会いしたのでヒグラシトークを楽しんだ。

Nikon D810+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
都下の山林では普通。23区では古くから在る奇跡的に残された林にのみ生息。内陸での自分の記録は附属自然教育園、練馬区三宝寺池。以前に記録されていた池上本門寺に2日間18時から19時までチェックしたけれど、残念ながらヒグラシの音はなかった。池上本門寺にいないとなると、恐らくここがヒグラシの生息地として東京都最南になる。23区に在住でそう言えば近所でヒグラシの音を聞いた事がないと言う方が多いはず。黄昏時に鳴くヒグラシの音はどことなく寂しげで特別な風情を感じる。

撮影日:8月11日、14日

お盆休みのセミ撮り

2024年08月13日 | セミ
お盆休み初日は野鳥公園でセミ撮り。
そろそろツクツクボウシが最盛期だと思い、先ずはツクツクボウシの姿を探した。すると...

ツクツクボウシ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+LEDライト
この時期は風通しの良い薄暗い林に集まっている事が多い。ツクツクボウシは外見でオスメスが見分けられ、メスは腹部先端に向かって細い。樹種はアカメガシワ。

ツクツクボウシ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D
ワンフレームで2頭のチャンスはなかなか無いので、両方にしっかりピントを合わせたいと思い、少しづつ立ち位置を変えて撮影した中の一枚。これをきっかけにワンフレームで何頭入るかを楽しもうと、いつも多数が静止しているサクラをチェック。すると...

アブラゼミとミンミンゼミ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
クマゼミの勢力に押され気味なのか、やはり今シーズンはアブラゼミが少ない気がする。

クマゼミ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
8月上旬に観察した時よりも金色の細毛が少なくなり黒い体色が目立っていた。樹種はカツラ。
クマゼミはそろそろ終盤の様子。こうして観察していてもセミの交尾を見かける機会がなかった。
次は久しぶりに区部の貴重なヒグラシを観に行こうか。

撮影日:8月10日

クマゼミの産卵

2024年08月09日 | セミ
ロープフェンスの支柱にクマゼミが静止していた。こんな場所にと思い近寄って観ると産卵!
支柱に産卵するとは面白い場面。ゆっくり慎重に近寄って産卵風景を撮影。

クマゼミの産卵

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
腹部の途中から出ている注射針の様な物が産卵管。それを支柱に突き刺して産卵する。一段下のささくれ状になっている所が産み終わった痕。産卵箇所に斜め下からLEDライトを照らしてをよく見えるように工夫。確かに木だけれどこうした人工物にも産卵する事から他のセミより繁殖力の強さを感じる。

クマゼミの団体様

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D+SB-700
比較的、クマゼミはニレ科を好んでいる様子に感じる。飛んでいたりオス同士が重なっていたりと、
このケヤキには多数が見られていた。
明日から9連休のお盆休み。幾日か雨の予報が出てるけれど雨の日のトンボの様子でも撮りに行こう。

撮影日:8月4日

公園のクマゼミ

2024年08月02日 | セミ
アキニレの枝で鳴く

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D+SB-700
沿岸部の林では早朝から午前中にかけてシャーシャー大合唱中のクマゼミ。合唱タイムの終了を見計らい通称クマゼミ公園のアキニレをチェック。ここは低い場所に静止しているから絶好の撮影ポイント。

クマゼミ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト

クマゼミ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
夏休み真っ只中にも関わらず猛暑のためかセミ採りをしている子供の姿がないのはちょっと寂しい。

クマゼミ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G EDライト
クマゼミは午前中に鳴き、鳴き止んだ後は吸汁タイム。
口吻の元まで木の幹に突き刺して汁を吸っているから手でも捕まえる事ができる。

ここにも樹液場があったはずなのでチェックしてみると、そこには...

クヌギの樹液場

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+SB-700
リュウキュウツヤハナムグリとシロテンハナムグリが集まっていた。右上のリュウキュウツヤはやけにブルーが強い個体だった。このような樹液場があっても管理が行き届いた公園だとカブトムシやクワガタに出会える可能性は低い。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
朝から炎天下のフィールドでは体力の消耗が早く午前中でギブアップ。。。
そんな時に大型のアゲハチョウが木陰に入ったのを見かけたので、そっと近寄り確認すると...

アオスジアゲハ(交尾)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
セミの交尾もなかなか観察できないけれど、チョウの交尾に出会うのも珍しい。
交尾態だから大きく見えたんだ。しかも、食草のクスノキに静止しているところが最高。
クマゼミの勢力に押されているのかアブラゼミが少なく感じたけれどアブラはこれからが本番かな...

撮影日:7月28日

セミの寿命

2024年07月25日 | セミ
クマゼミの羽化(7月6日に撮影)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+SB-700
クマゼミの羽化観察をしてから2週間が経過。
案の定、沿岸部では晴れた日の午前中に樹上から大音量大合唱でシャーシャー攻撃の最盛期。

クマゼミ 雄(鳴いている様子)

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D+SB-700
真夏が旬のセミとはいえ直射日光が当たる場所を避けている個体が多いので、カメラポジションが逆光になり、ストロボを使用せざるを得なく、テカってしまい不自然になってしまった。クマゼミのオスメスは正面からでも見分けられる。こちらを参考に→クマゼミのオスメス

クマゼミ 雄(死骸)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
しかし、帰り道にはもうこんな光景を目撃。羽化から鳴くまでおよそ1週間かかり、それからの寿命はやはり昔から語りつがれてきた通り、1週間なのかもしれない。まだ暫くセミの観察は楽しめるけれど、過ぎ去るシーズンの早さを実感した。

撮影日:7月20日