吉祥寺月窓寺での薪能

2013-10-06 01:03:54 | まち思い

今日(10月3日)は、吉祥寺の月窓寺境内での薪能に行ってきました。第28回とのことで、本当に継続は力なりです。ちょっとうらやましい。

天気予報では、夜から雨とのことで心配でしたが、もって良かったです。

 

演目は、野守という一調(謡と太鼓)、狂言:舟渡聟(野村万作・萬斎)、能:俊寛(金春流)。

 

「俊寛」は、3人で島流しに合うが、恩赦で2人は都に帰ることができたのに、俊寛だけが許されず島に残されてしまうという物語。俊寛が怒りと絶望に打ち震え、孤島に残される悲嘆と生への未練を描いているとのこと。

 

もちろん、弱虫の私などは、一人残されたら気が狂うだろうけれど、仮にも坊さんなら、孤島で一人で暮らせるのではないかと思ってしまった。平家の坊さんなので、豪勢に遊び暮らしていたから、オロオロするのだろうが、第二次世界大戦の折、ジャングルに残された日本兵だって、いろいろなものを食べて生き延びたのに。

 

俊寛らは、主流派の平清盛に反逆した罪で島流しにあった。確かに、孤島で暮らすのは、元貴族には辛いことなのだろうが、殺されずに島流しというのは、生かす刑罰なので良いと思った。今より、水も空気もきれいな時代なのだろうから、魚もいるだろうし、木の実もあっただろう。

 

「半沢直樹」でもそうだけど、主流から外されて子会社等に出向させられたって、人間生きていくには、与えられた場で自分らしく生きようとするはず。腐って泣いていたってしょうがない。そんなことを考えてしまった。