小関順二公式ブログ

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佐野正幸と見た西武ー日本ハム戦

2011-08-27 19:04:57 | プロ野球観戦記

◇8月26日(金曜日)雨
西武対日本ハム(西武ドーム)

 友人の野球作家、佐野正幸さんと久しぶりに野球観戦した。7月10日前後、佐野さんは意識不明の重体に陥っていた。胆石が十二指腸をふさいで感染症を起こしたらしく、数日間意識がなかった。しばらくして奥さんに容態を聞くと、「今日意識が戻ったんです。先日はお見舞いいただいてありがとうございます」と礼を言われて、一瞬何のことかわからなかった。そのときはまだ見舞いに行っていなかったのだ。佐野さんは朦朧とする意識で、小関が見舞いに来てくれたと思ったらしい。街角のエンターティナー・佐野正幸に笑わされることはあっても、ホロリと泣かされることはなかったが、その話を聞いたときは鼻の奥がツンときた。
 安静にしすぎて筋肉が衰えた佐野さんは外出も控えがちだったようで、一時期は110キロくらいあった体重が今は74、5キロまで落ちている。しかし、元来がじっとしていられる人でないので「月末、西武ドームに行きませんか」と連絡があったのが先週。西武ドームは私にとって地元と言ってもいい球場なので二つ返事で了解し、「高校野球情報.com」の編集長、安田未由さんも誘っての観戦となった。
 試合内容だけ見れば、佐野さんの快気祝いとしては最高の試合だったのではないか。西武の中村剛也が2本のホームランを左中間、左翼ポール際に放てば、日本ハムの糸井嘉男が3本のヒットを放ち、投手陣も西武は帆足和幸、日本ハムはケッペルが先発としての役割を果たし、延長10回裏に西武の上本達之がサヨナラ安打を打ってゲームセットと至れり尽くせり。西武が勝ったことを除けば、久しぶりに野球観戦の醍醐味を満喫できる試合だったのではと勝手に思っている。
 この試合で私が目を見張ったのが糸井の走塁。7回の右中間を破る打球は普通の選手なら二塁で止まるが、打者走者が糸井なのでストップウォッチを止めず、三塁到達と同時にストップボタンを押すと、画面に表示されたのは「11.06」という数字。
 アマチュアでは08年の日本選手権、トヨタ自動車の荒波翔(現横浜)が10.95秒、右打者ではやはりトヨタ自動車の荻野貴司(現ロッテ)が11.01秒という超弩級のタイムを記録しているが、プロでは荻野が昨年4月29日の西武戦で計測した11.00秒に次いで、この日の糸井が“小関史上”2番目。
 三塁を狙った糸井は中村剛也の名演技で憤死する。返球が近くに迫っているにもかかわらず、中村は遠くを見るような顔でボーッと立ち、返球がグラブに収まるのと同時に素早くタッチしてアウトを取っている。糸井はスライディングしなかったことを反省しているが、私は中村がうまかったと思っている。
 なお、日本ハムの「一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12.3秒未満」は糸井の1回だけ。7月1日に見た西武戦では3人(8回)がタイムクリアしているので、違いは歴然としている。
 翌日、ネットを開くと「梨田監督が退任へ」の見出しが目に飛び込んできてびっくりしたが、全力疾走の鈍化も来季契約しない原因の1つなのかもしれない。

[この日の注目シーン]
 中田翔がノーステップをやめた打席を初めて見た。一本足のときの足上げ、さらにステップの出し方が性急で、ゆったりした部分が1つもない。ノーステップのときは当たり前だが、すべての部分がゆったりしていた。 


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