◇8月14日(日曜日)晴れ
能代商2-0英明
智弁和歌山8-7白樺学園
日大三11―8開星
第3試合に出場した日大三の5番・高山俊(右翼手・右左・181/78)がよかった。これまでの高山で気になったのは、打席内での性急な動き。一本足にする動き、ステップする動き、すべてが早すぎた。ストレート待ちのタイミングで待っているのか、「1(待ち)、2(足上げ)、3(ステップ)」で打っていく。足上げとステップの間に静止がなく、足を上げたらすぐ「エイ!」とばかりにステップする右足を出し、打ちにいく。それ以前に、足上げの動き、ステップの動きそのものが忙しかった。狙いが当たればもの凄い打球が飛んでいくが、狙いが外れればあっけない凡打、そういうのが目について畔上翔より下に評価していた。
しかし、今大会の高山は変わった。性急な動きは相変わらずあるが、それはストレート狙いのとき。変化球狙いのときはゆったりとした始動とステップで対応、それが第2打席に結びついた。白根尚貴(右右・186/98)が投じる133キロのスライダーをぎりぎり捕手寄りで捉え、強烈に押し込むと、打球はセンター左をぐんぐん加速して越え、三塁打となった。
ついでに各塁到達タイムを紹介すると、[1]中前打4.51秒、[2]三塁打11.50秒、[3]バント安打3.85秒、[4]バント4.01秒、と一流。守備もよく、1回戦の日本文理戦では9回2死、左打者の南場将也が打った右翼ラインからファールゾーンへ切れていくフライをスライディングキャッチで好捕、ゲームセットにしている。
進路が予定されている明大の主力野手の多くは4年生なので出場機会は多そうだ。日大三出身は伸びないという悪評は高山の耳にも入っていると思う。みずからの活躍で悪評をシャットアウトする、それくらいの気持ちで東京六大学リーグでプレーしてほしい。
[この日目立った好選手]
◇松本竜也(英明・投手・左左・193/78)9回5安打9三振1自責点
MAX145キロ、クイック最速1.17秒、7回のバント処理で1-6-3の併殺完成
◇山本隆太(智弁和歌山・右翼手・右左・178/70)2打数2安打1打点
見送りが少ない超攻撃タイプ。打ちにいく直前にグリップ下がるヒッチ癖直したい
◇道端俊輔(智弁和歌山・捕手・右右・175/76)6打数3安打3打点
浅い縦スイングでコンパクトに叩いた第2打席の中前打が将来性を感じさせた
◇佐藤優太(白樺学園2年・二塁手・右左・175/75)6打数4安打1打点
走攻守3拍子揃う東出輝裕(広島)タイプ。本塁打が出ればサイクル安打の活躍
◇吉永健太朗(日大三・投手・右右・182/80)9回15安打8三振8自責点
試合後半、リストだけ使ったリリースを改め、体全体で押し込むリリースに変える
◇横尾俊建(日大三・三塁手・右右・176/86)4打数2安打2打点
変化球主体の攻めに対応して、センターから右方向を意識したバッティングにする
◇森 大樹(開星・一塁手・右右・188/94)5打数1安打2打点 ※本塁打1
5回に反撃を呼ぶ2ラン。おっつけてセンター方向に運ぶ技術を持っている
◇白根尚貴(海星・投手・右右・186/98)5打数4安打2打点
少し腕が下がった伊良部秀輝(元ロッテなど)みたい。今日は打のほうがよかった
[雑感]
第1試合の英明対能代商戦は、60(昭和35)年以降では最短となる1時間21分で試合を終えた。選手交代は英明の1回だけ、四死球は両チーム合わせて3個だけ、さらに両校投手の投げるテンポが早いなど、試合が長くならない要因がいろいろあった。
大会記録はというと、47(昭和22)年決勝の小倉中6-3岐阜商の1時間12分。こんなに得点が入ってこの時間とは驚いた。普通に考えれば1対0とか2対0になるのが当たり前である。しかし、両校で9得点も記録している。早打ちが相当あったのだろう。図書館で調べてみようと思う。