甲子園review の合間に「アジアAAA 野球選手権」の話をしたい。今回の日本代表のメンバーは次の通り。
◇投手
吉永健太朗(日大三) 右右 182/80
原 樹理(東洋大姫路)右右 178/68
釜田 佳直(金沢) 右両 178/77
歳内 宏明(聖光学院) 右右 182/82
松本 竜也(英明) 左左 193/78
北方 悠誠(唐津商) 右右 180/80
野田 昇吾(鹿児島実) 左左 167/64
◇捕手
道端 俊輔(智弁和歌山)右右 175/76
近藤 健介(横浜) 右左 172/83
佐藤 大貢(東海大相模)右右 182/83
◇内野手
板崎 直人(作新学院) 右右 165/66
横尾 俊建(日大三) 右右 176/86
宮内 和也(習志野) 右右 171/68
高橋 周平(東海大甲府)右左 185/83
谷田 成吾(慶応) 右左 183/85
◇外野手
畔上 翔(日大三) 左左 178/82
北川倫太郎(明徳義塾) 右左 187/85
臼田 哲也(東海大相模)右右 180/70
話題は甲子園大会未出場の谷田成吾と高橋周平が選ばれていることだろう。渡辺元智・代表監督(横浜監督)は事あるごとに「やるからには本気で優勝を狙いたい」と言っている。そういう監督の本気度が谷田と高橋の選出からは感じられる。
思い出されるのが、故尾藤公(元箕島監督)さんが語ってくれた15年前(1996年)のことだ。第2回AAAアジア野球選手権の監督を打診された尾藤さんは最初、断った。前年に箕島の監督を勇退しとき、二度と監督はやりたくないと思ったという。それでも是非にと懇願された尾藤さんは1つだけ条件をつけた。それは、甲子園大会に出場したことのない宇和島東の遊撃手、岩村明憲(現楽天)のメンバー選出である。甲子園に出ていなくても、練習試合などを通して岩村の実力は知っていた。
「岩村を選んでくれなければ監督もやらん」
そんな口調で迫ったと尾藤さんは笑っていた。
高野連が岩村の全日本入りを承知し、尾藤さんは晴れて全日本代表の監督になった。そして第2回AAAアジア野球選手権大会が行われたフィリピンのリサール・メモリアルスタジアムで岩村はホームランを放った。同スタジアムでホームランを打った選手は少ないらしく、球場フェンスに記された岩村の名前(欧文)の横にはベーブ・ルースの名前があるという。
谷田と高橋がプレーするのは横浜。ここで歴史に残るホームランを打つことができるか、楽しみにしよう。