オリジナルの『狼よさらば』は全く空気感が違っていたような気がする。技師→医師、家族の名前変更、などなど挙げればキリがないのかもしれませんが、現代的な要素を満載にしたといったところでしょうか。まずは医者の倫理問題。銃で撃たれた被害者の救命を試みるも、残念ながら亡くなってしまったのに対して、加害者の犯人の命を救ってしまうというジレンマだ。手塚治虫氏の「ブラック・ジャック」にも似たようなエピソードがあったような気がします。
さらに、インターネットが定着した現代において、銃犯罪が蔓延しているにもかかわらず警察が情報を公開しないといった問題。発砲事件が多すぎてニュースにならないってのもアメリカならではのことだ。そんなネット社会において、死神と呼ばれるパーカー男の動画がすぐにアップされてヒーローとしてもてはやされたり、ポール・カージー(ブルース・ウィリス)がYouTubeで銃を勉強したりと、皮肉っぽく対比されていました。
面白いのは簡単に銃が買えるといったシーンはほとんど『ボウリング・フォー・コロンバイン』でマイケル・ムーア監督が撮ったものと被ってくることだ。「今度来た時はベサニーを呼んでね♪」などと銃砲店の姉ちゃんもあっけらかんとしていましたが、実際に次に来たときはポールのことを忘れてた!それほどコンビニみたいに忙しい店なんでしょうね・・・
主人公を医者に改変することによって、医学的知識の拷問や自分で治せるといったところは面白くなったけど、渋いチャールズ・ブロンソンの復讐魂が消え去って、むしろヒーローとなった喜びや殺人の快楽がクローズアップされてる気がします。修理工場でジャッキに下敷きにさせるシーンなんて夢に出てきそうです。
なんで娘はサッカーやってるんだろ?と、見終わってから考えると、半ズボン=AC/DCという構図が浮かんできた!Back In Black 歌詞も暗闇に帰るといった、主人公の心情を表わしてるのかもしれませんね。
★★★・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます