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ゾンビファン必見!「アナザーストーリーズ」

2017-12-03 21:37:11 | TV、DVD、ビデオ
 アメリカではゾンビ発生のための軍事マニュアルまで存在しているという。そこまで一般的に浸透してきたゾンビという存在。その生みの親とも言うべきジョージ・A・ロメロの紹介番組です。残念ながら7月16日に他界したロメロ監督ですが、自主制作で作られた『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(1968)』からほぼ50年経った今でもゾンビ映画が量産され、人々に愛され続けています。

 まずはロメロが残した「ゾンビとは我々自身」という言葉が重くのしかかってきます。ゾンビ映画の中にはただ単に怖いだけという作品もありますが、元祖ロメロが描いたゾンビ映画には必ずと言っていいほど社会風刺が込められている。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』では脚本家ジョン・A・ルッソとともに、ああでもないこうでもないと試行錯誤しながら作られ、最終的にはメインに黒人デュアン・ジョーンズを採用して、当時キング牧師など公民権運動が盛んだった時代、白人に殺されるという結末を用意した。まさしく人種差別の風刺を取り入れたわけだ。

 ショッピングモールを舞台にした『ゾンビ』においては物欲に駆られた人々、『ランド・オブ・ザ・デッド』では格差社会やテロリストを生み出す支配者階層の悪、『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』ではネット社会の落とし穴とか、編集による情報操作の悪などをメッセージとして受け取ることが出来る。

 また、『ゾンビ』から特殊メイクのトム・サヴィーニが加わり、グロさ満載の映画がロメロ作品に定着するのですが、そのサヴィーニが実際にベトナム戦争を経験していることから生々しい死体が誕生することも語られている。さらに、番組では『バイオハザード』(映画よりもゲームの方)を作り出した三上真司についても紹介されている。

 まさしくゾンビファン必見のドキュメンタリー。映画レビュワーなら必ず書くことになるゾンビもの。チェックしてみてはいかがでしょうか。

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(1968)』
『ゾンビ(1978)』原題ドーン・オブ・ザ・デッド
『死霊のえじき(1985)』原題デイ・オブ・ザ・デッド
『ランド・オブ・ザ・デッド(2005)』
『ダイアリー・オブ・ザ・デッド(2007)』
『サバイバル・オブ・ザ・デッド(2009)』

再放送:2017年12月4日(月)午後6時00分 BSプレミアム

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