私が勤めていた会社は大変業績の良い企業でした。当然仕事は忙しく激務であり「もっと余裕のある生活がしたい」と思っていました。時間はあっという間に過ぎ「時間が足りない」と常々感じておりまいた。
定年退職後再就職した会社は業績はパッとせず仕事も忙しくはありませんでした。給料は下がりましたが自由な時間が増えたので「まあいいか」と初めは満足していました。しかし段々とこの暇な時間が苦痛になり耐えられないものになってきました。「お金のため我慢しよう」「辛いけど退社時間までの我慢だ」と自分に言い聞かせ無理やり仕事をみつけて耐えました。私は暇がどんなに苦痛か身をもって知っています。
「茹でガエルの法則」というのがあります。沸騰したお湯の中にカエルを入れるとビックリしてお湯から飛び出します。しかしぬるま湯の中にカエルを入れてゆっくり温度を上げていくとカエルは変化に気が付かず死んでしまうという法則です。
人間は変化が徐々に進行するとその重要性や危険性に気がつきません。「暇で退屈な日々」は私たちにとって大事な「心と身体の健康」を損ねる危険性が高いと私は考えています。「お気楽な老後」は決して「暇で退屈な日々」ではないと思います。