ぶらぶら日記

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音楽の話 (27)

2020-02-29 09:43:02 | 思い出
 吉田拓郎と対比するフォークアーチストといえばやはり井上陽水である。

 陽水は、福岡県田川で育ち、歯医者を目指すも数度受験に失敗、上京した。私は10歳前後だったのでアンドレ・カンドレ時代は詳しくない。最初に彼の歌を知ったのは「傘がない」だった。小学生の私は、高音で良く伸びるボーカルが好きだった。バックの楽器の音も澄み切っていて何となくカッコいいぐらいの印象。今聞くと「田舎から出てきた若者が都会の中で染まり切れず、周りで起こるすべてのことに対して無関心、自分の目の前のことが大切なんだという空虚感、ニヒリズム」を感じてしまう。

 「夢の中へ」は、「目の前にいる人に対しても、探しているものや悩みなんて苦しいことは考えずに、僕と踊ろう」という一種の開放的無責任さと感じる。小学生の私は、純粋だったので「へーそんなことでいいの?大人っていいなあ」という感じある種の軽蔑。

 「心もよう」は、「寂しさから手紙を書いたけど、自分の心は文字では伝わらない。会って話せば、時間を止められるが長距離恋愛はむつかしい」という感じか。

 シングルレコードでも100万枚売るのは大変な時、LPの「氷の世界」は100万枚売れた。続く「二色の独楽」、「招待状のないショー」と立て続けて1位になった。

 拓郎といい陽水といい、フォークは金になる時代の到来だった。


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