今日は長文なんで、忙しい方は読まないでくれや。
これから試験を受ける人に、よく質問される。
「どうやって勉強すればいいですか?」
いつも、同じ答えをする。
「去年合格した人に質問した方がいいよ」
試験問題は年々変わるから、最近の出題傾向を把握しておいた方がいい。
それなら、実際に前回受験した人に聞くのが早道。
それに、複数の人に質問して、全く違う答えが返ってきたら、混乱しかねない。
仮に、AさんとBさんに質問したとする。
二人の答えがまるで違っていたら・・・・
それぞれの勉強方法を同時に実践すると、それだけ時間がとられるし、効率よく勉強できるかどうか疑問だ。
特に、受験まで一ヶ月を切っているような場合、これはまずい。
聞く人によって、全然、答えが違う。どうしよう・・・・
身近に教えてくれる人がいない。どうしよう・・・・
もしかしたら、こういう人もいるかもしれんな。
「聞き取り」の試験対策を伝授しよう。
新聞の一面に掲載されているコラム欄、あるよね。
どの新聞でもええ。
朝日新聞なら天声人語やね。
これを自分で読んで、録音する。
他人の声はダメや。
自分で読む。
1日分で十分。
自分で読むことが大事なんや。
「読む」リズムをつかむため。
読むリズムと、手話に変換するリズムは連動しているから、読むリズムを体感することが大切。
録音したら、再生して、手話で表す。
これを朝起きた時と夜寝る前、毎日2回、試験当日まで繰り返す。
日毎に、うまくなっていく。
同じ内容やから当然やねんけど。
1週間もすれば暗記してしもて、
「録音の再生はいらん」
と思うかもしれんけど、音声に手話を合わせることが大切やから、必ず音声の再生と同時に手話を表すこと。
ただし、「同時」いうても、声を聞いて即座に手話にしてはダメ。
ワンテンポ遅らせる。
「同音異義語」に引っかからないようにするためや。
試験問題では、「引っ掛け」も存在する。
いやらしい話やけど、これは現実の通訳現場でも気をつけなアカンこと。
現実の試験をイメージしてみよう。
試験会場に入って、スタンバイ。
係の人が、音声を再生する。
「しょうがいきょういく」
と聞こえたら、どう表現する?
「障害教育」か。
「生涯教育」か。
「障害教育」と表してしまって、テープの再生が進んでいくうちに、「生涯教育」だとわかったら・・・
しまった!
という焦りも生じて、すっかりリズムが崩れてしまう。
これでは、不合格や。
だから、わざとワンテンポ遅らせて手話を表す習慣を体に叩き込む。
遅らせるのは、あくまでワンテンポや。
遅らせすぎると、音声についていけなくなる。
上記の例で、ワンテンポ遅らせても、「障害」か「生涯」か判断がつかなかったら、どうするか。
「しょうがい」と指文字で表しておく。
正確な手話表現ではないけど、音声から大きく遅れることは許されない。
話が進むに従って、「しょうがい」の意味が明らかになったら、そこから正しい手話で表せばいいんや。
これで、試験当日には、聞き取り通訳のリズムができあがっている。
このリズム感が重要なんや。